新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

2020春…得三で友部正人さんのライブ…第1部

2020-09-11 06:43:39 | ライブ
高校生の頃

女々しい感じがして…
フォークソングが好きじゃなかった…

とか言いながらも
中学生の時は
松山千春さんとかさだまさしさんとか
めちゃめちゃ流行って
まあ、学校での友達との話題に入るため
聴いていたこともあったけど…
要はフォークソングがまったくもって好きじゃなかった…ってこともなかったんだけど…

だって
井上陽水さんや
泉谷しげるさん
さらにその頃、流行ってた
チャゲ&飛鳥はよく聴いてたし

でも…絶対に…聴くの、やめとこっと思ったのは
大学で上京し
アパートで一人ぼっち
誰も知り合いがいないとき
さだまさしさんの「案山子」が流れてきたら
めちゃめちゃ、心から寂しくなってきて…
泣けるほど寂しくなって
あの時から
女々しいフォークは聞くのをやめとこっと


やっぱ…
楽しいロックンロールだー!!

なんて思ってた20代…



さてさて
友部正人さんを知るきっかけとなったのは

実は、私の大好きな
「割礼」というバンド


大爆音、サイケのエレキの歪む音が心地よくて
よく聴いた「割礼」がカバーしてた曲に
「ガーディーナさん」という曲があって
これが友部正人さんの唄なのよ!!


もちろん、めちゃイイ曲で

でも、だからといって
友部正人さんに遡ろうとは、その時は思ってなかったんだけど…


ある日、
30代の半ばか後半になってか、いつのことかは忘れてしまったけど
三宅伸治さんと友部正人さんのジョイントライブがあって
そこで、ハマってしまったのよ!!!


友部正人さんの「唄」の世界に惹きこまれて
しまったのよ!

その魅力の一つが

詞の言葉が深くて
聴き終わった
みなさんが

十人十色!!
…の感想を抱くことができること…


まさに詩人そのもので
比喩法などで…イメージなどは聴き手に任せられる曲が多く…
曲から浮かび上がる心象風景を浮かべては
共感してみたり、ときにはエーッと驚愕してみたり…


そんな歌があるかと思えば
思いのたけを吐き出すように…
熱情的にストレートに歌い上げる歌もあって


その多角的な友部さんの唄に翻弄されちゃうのよ!!
聴けば聴くほどに…



ああ、30代半ばまで
友部さんの唄を聴いてこなくて
実にもったいない人生を送っちゃったな
と…


で、40代になってからは
友部正人さんが名古屋にきたときは
なるべく(絶対!!ではないのは…企画ライブと重なったりすると…いけないときもあるので…)
駆けつけよう!!と心に決めて…


そう、もったいない人生を送らないように…と


さてさて
この時期、まるでライブハウスに新型コロナウイルスが蔓延っているような報道があって…
自粛ムードが徐々に広がりつつあったこの時期…



別にライブハウスに新型コロナウイルスがへばりついている訳ではないと
日々の報道に?????の私でしたが



感染症対策は必須!!!
手指消毒液は持参で
電車で向かう途中
なにかに触れたかなと思えた時には消毒液でカッサカサの手をゴシゴシ…

それ以上に手洗いが効果的のことで
頻繁な手洗いと
ここに入る前にも
今池のガスビルでうがいもしたよ!!
当然、マスクも着けっぱなしと
感染症対策はとことん、準備して
出掛けた


私がよく出没する今池の…(熊か!)
私が、よく出没する得三!!





2020年春
友部正人のライブ…




ではでは
早速そのライブレポをば




まずは

「はじめぼくはひとりだった」


からライブはスタート

歌い出して
もう曲の1番が歌い終えるところまで歌ったところで
ハーモニカをはめ忘れていたことに気づいた友部正人さん

ここで、歌うのをやめ

もう一度、何もなかったかのように
1番の始めから歌い出す…



「孤立」…そしてその後の「孤独」が漂ってきて心に沁みる曲


ひとりでいることに幸福と安らぎを得ていた主人公が


♪ある日ぼくは素敵な
ある日ぼくは素敵な言葉を見つけた
そしてはじめて寂しさを知った~


ある日「素敵な言葉」を見つけ「初めて寂しさ」を知る…
主人公が「ひとりではなかった」ことに気付く…その時

この歌を初めて聴いた時の
言葉一つ一つを噛みしめながらも
友部さんの表現力の…言葉選びの鋭さに
衝撃を感じたときのことを思い出しながら…


「空のいのち」


♪枝に老人がひっかかっている~




当然、比喩法、擬人法なんだけど
想像すらしたことのない
こんな歌い出しの歌詞から始まる歌…

老人は老人であって
老人そのものではない…と…歌われる世界観は実に深い!深い!
生きていること…命そのものが…独創的な切り口で歌われる

サビは

♪空のいのち ぼくは庭師(にわし)~


と韻を踏んで
さらには

♪空はいわし~


流れているとイワシになった気分だよと…
ホント、心から詩人だなって思えちゃう!!
この歌、そんなに多く聴いたことはないけどなんども噛みしめて聴きたいと思えた
素敵な曲…




「働く人」


ミディアムテンポの
この歌の歌詞に耳を傾ければ
心から共感できる唄

きっと働いているみなさんも
きっと心から共感できると思う…


♪眠る時間は短いのに
はたらく時間はなんでこんなに長いのだろう
3分の1と3分の2 がわたしには逆さまに思える~


こう思ったこと
何度もあるような…汗

心から共感できる…苦笑…歌でした!


続いては
中学校の頃、名古屋にいたんですが、その頃のことを思い出して
作った歌と…

「少年とライオン」

♪14歳ともなれば~




と歌い出してから
再度ギターの響きを確認してから
歌い出す…

メロディアスな曲調の中

友部さん自身の中学生の頃の想いが自叙伝のように綴られる
かといって、具体的な言葉で表現されるのではなく
多感な思春期の惑うこの時期を
あたかも童話に出てくる主人公になって
14歳の少年がデパートの前で会ったライオンと旅をするといった
そしてその世界観がファンタジーぽく比喩され表現される…

いやあ心から詩人だなあ…と感動さえしちゃう
この唄の世界…


一方で
この歌のこの歌詞の中に

♪デパートの前でライオンにあったのさ
ライオンはデパートの入口で
金色になって眠っていた~



とあるんだけど…

これ、栄の三越が思い出されて
若い頃、そこのデパート嬢とお付き合いしてたことがあって
と…そんな甘いレモンのような思い出が浮かんできたりして…


ここでのMCは

今日は、最初からキャンセルが多いこともあって
みんなの聴きたいだろうなと思える曲を勝手に選んだと…
その中には、新しい曲も入ってるだろうなと思って…
それは僕が歌いたい唄…とそう語って…

「6月の雨の夜、チルチルミチルは」


聴き手によって
感じ方…とらえ方が…十人十色で…


何度聴いてもはっきりとは…
ワカンナイ…

それでいて…
心には、はっきりと残る名曲…

これから自殺をするという「チルチル」が連れの「ミチル」と二人で、
主人公のところへやってくる

そんな彼らと明るいレストランで食事をし、「チルチル」の要望で一曲歌うことに
で主人公は歌う…


歌が終わり
会話も途切れてやがて

「チルチル」は…
「ミチル」を連れて死の国へ旅立ち
主人公は、朝独りで取り残される…

主人公は六月の雨の中に佇ち尽くしている。



これが…
何度もサビで繰り返されるから
そうだと思うんですが…


でも…
詞の世界を味わえば味わうほど
やっぱり
わからなくなる…
なんとも不思議な曲…


「夜を着がえて」



スリーフィンガーで奏でるしっとりとしたメロディー

♪おいらのいるところが夜なのに あの娘のいるところは昼だとさ
こいつは 夢中になっているのはおいらだけで
あの娘は他の奴を待っているってこと
夜はずい分年老いた こいつを着がえて出なおしだ~


夜はずいぶん年老いた…
この擬人法での表現…
平たく言えば片想いなんでしょうか…
淡々と綴られるこの歌の世界に惹きこまれる…


まずは
遠藤ミチロウさんのことを
彼との思い出を散文詩にして語り
それはあたかも遠藤ミチロウさんを追悼するかのように


その後は
遠藤ミチロウさんのカバー

「カノン」


いやあ、もう圧巻の
友部さんの想いがひしひしと伝わってくる感じで
まるで、この友部さんの唄声は
空にいてる遠藤ミチロウさんに届くかのように
沁みる!沁みる!!


♪ふらり ふらり ふらり ふらり~

このフレーズが切なすぎる!!

なんどかライブをみた鬼気迫る感じがした
遠藤ミチロウさんが…いた…この得三のステージを見つめながら
目頭が熱くなる想い!

歌い終えてのMCは
遠藤ミチロウさんが4月で一周忌
音楽葬『死霊の盆踊り~追悼 遠藤ミチロウ~』のライブ映像
4月末に限定公開されることを紹介して

次の曲は
遠藤ミチロウさんもよく歌っていた

「密漁の夜」




オホーツクの夜
サロマ湖が舞台

淡々と歌っているようで
曲から漂ってくる…情念が蠢いている感じが
ひしひしと伝わってくる…



「誰も僕の絵を描けないだろう」


この歌も遠藤ミチロウさんがよくカバーしていた曲

陰鬱なマイナーコードにのせて歌われる歌

勝手な妄想だけど
私の心の中では
友部さんと遠藤ミチロウさんがこの得三で声を合わせているようにも
聴こえてきて…
なんか、もうそういったシーンはもう観られなくなったんだと改めて思えて
友部さんの唄がより沁みる!心に突き刺さる!!

ラストのハーモニカの響き
畳みかけるように吹き鳴らす友部さんの演奏は素晴らし過ぎるの一言でしかない…


何年前のことか分からないけど
クラムボンの原田郁子さんに頼まれて歌詞をかいた曲があると
それが、イイ曲だなと最近思って、
そのことを思い出して久しぶりに歌うと…
こういうとこはあれこれ歌いたくなると言葉を添えて

「ユニコーン」


しっとりとした
しっとりとした

とても美しい曲で 

♪いつか君が 年をとって
またぼくに 会いたくなったら
君が歌った この歌を
また 口ずさんでね
君がどんなに遠くにいても
ぼくには君がわかるはずさ
ぼくは昔 君の心にいたんだもの~


とても優しい気持ちになれる
素敵な曲でした!!


これにて第1部終了

休憩中は
カッサカサの手に消毒液を振りかけてゴシゴシ…


新型コロナ!クルナ!
と唱えながら
マスクをちょいとずらしてビールを呑んでたら


第2部へと