2021年初夏…
大須の大光院の境内で開催された
野外劇団「楽市楽座」の公演を見に行く!!
屋根も壁もなく…台詞はマイクなど使わず…
ステージは手作りの円形ステージで…
な、なんと「月」を思わせるこのステージが水の上にプカプカ浮いてゆっくりとふわふわ廻っている…
で劇団員は…座長の長山現さん、その奥さんの佐野キリコさん、そして、娘の萌さんに、最近…といっても3、4年前か、その萌さんと結婚して、メンバーになった佑之助さんの4人といった家族だけで、ホールや会館で行うこともなく…こういったお寺や神社の境内などをステージに全国行脚しているファミリー劇団…
水に浮いてゆっくりとふわふわ廻っているステージを作るのもこの4人
トラック2台に 住居テントも舞台装置も積み込んで、全国を旅する…驚きの野外劇団「楽市楽座」
公演内容は…もう小さな子供から大きな子供??まで楽しめちゃう…
ファンタジーミュージカル…
歌って踊るのも、この4人だけですけど…
演奏も、この4人…
要は、ステージで演じているメンバーがいたら…
他の残りのメンバーは、このように舞台袖のテントで演奏している訳…
…ということで、演じる出番がなくても、休む暇なし…
みていて、その底知れぬパワーに圧倒されちゃうのです!!
演じるだけでなく…歌うだけでなく
演奏どころか…脚本も音楽制作も
衣装も道具も すべて4人でまかなっちゃう
果てしないパワーを感じる…みていて100パーセント元気がもらえる…驚きのミュージカル劇団なのです!!
入場料は、な、なんと無料!!
無料なんだけど、この4人、これで暮らしています!!
…というころで、投げ銭を…
これ、他の大道芸のパフォーマンスのように終わったら一斉に…といった投げ銭システムではなくて、パワーに圧倒されたその瞬間に…この用意された色紙に包んで…ステージに向かって、リアルに投げ銭しちゃうシステム…
劇の真っ最中でも途中でも、歌の途中でも、
パワーに圧倒されたその瞬間に投げ銭を!!
舞台の上には折り紙に包まれた投げ銭が飛び交い
色紙なので色とりどりの投げ銭がステージを包んだところで、メンバーのみなさん「投げ銭拾いタイム」も設けていたりして
…なので、私も百円玉、五百円玉をこのよう用意されてるる色紙に包んで感動したその瞬間に投げちゃう!!
なんか、みていると劇団員は、この家族4人にあらず…間違いなくお客さんも100パーセント巻き込んでの…それはそれは、見事なほどの一体感!!
そして、なんといっても夜の野外劇といった、きわめて独創的な唯一無二の非日常的な光景を目の当たりにしながら…劇の内容は、子供の頃、母親の童話の読み聞かせを楽しみにしていた…そんな頃を想起させるような世界観…
まさにファンタジーがリアル体験できちゃう…大人になって、完全に心が穢れちゃってる私ですが、独創的な唯一無二の非日常的な光景、野外劇を通して…あのピュアだった、幼児の頃を思い出させてくれる…
さてさて、去年こそ新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、公演は中止…2年ぶりの全国行脚になったけど、毎年新作を引っ提げてやってきてくれる
野外劇団「楽市楽座」の公演
2021年は「うたうように」
開演前から、BGMを奏で続ける…長山源さんと佐野キリコさん!
内容は「この世の始まり」を描いた壮大なストーリー…
といっても、この劇団らしいオヤジギャグ満載の笑いに包まれる…
まずは、メンバー紹介がてらステージをぐるぐる回って、演奏する4人…
♪そーんでそれからどうなった こうなったんか そうなったんか~
この歌の後にストーリーが展開されていく
この言葉をメロディーに乗せて、歌う!!といってもお客さんも一緒に…ですよ!!初めて聴くメロディーだけど、これが不思議と耳にこびりつくメロディー…歌えちゃうんだな…自然と…
物語は
生き物なんぞ何にもいない…地面も空もない…世界がぼんやりしてて、まだ世界とは呼べないような、まだ隙間しかなかった頃…
その隙間から聞こえてくる微かな「ウタ」が世界を満たしていき…
やがて、その暗闇から「ウタ」に包まれ、生まれたのが
長山現さん演じる…石ころの「ゴロゴロ」(名前)
…といってもただただ「ゴロゴロ」してただけ…
「ゴロゴロ」してたら、歳とって、小さな丸い石になったと…
♪そーんでそれからどうなった こうなったんか そうなったんか~
の歌の後には場面転換…
暗い成分は、すべて石ころの「ゴロゴロ」が吸収したおかげで、明るい成分が集まって生まれたのは
佐野キリコさん演じる
火の「ボーボー」
生まれたばかりなのに、年寄りみたいに消えかかっている…「バーバー(婆あ)」じゃなくて「ボーボー」だと笑わせながら…
この世には「ゴロゴロ」と「ボーボー」の二人だけ…
となれば…焼け石に火が付いた???
年とった二人に…恋が芽生える!!
ここでの「劇中歌」???が、めちゃ素晴らしいのよ!!
♪これは恋し…恋しいの 恋しいさ~
と歌い出す…(笑)
そう、小石だけに、「恋し」
もうこのオヤジギャグの「劇中歌」に…私はやられちゃた感満載で…思わずステージに投げ銭を…(笑)
お二人の鼻がムズムズしてくるのは、何かが起きる前触れ…(笑)
「月」に誰かがいるような…
♪そーんでそれからどうなった こうなったんか そうなったんか~
円形ステージを「月」に見立てて
月にいるのは
萌さん演じる…水の「サラサラ」
ところが寒くて、氷の呪いで固まってて、一度もさらさらと水が流れたことがないと…
この呪いを解くには、「サラサラ」自身の「ウタ」が必要だと…自分で自分を溶かす必要があると
…
そう「ゴロゴロ」と「ボーボー」にアドバイスされて、「サラサラ」は鼻歌を歌い出したら…少しずつ溶け出す!溶けだす!!
やがて、泉が溢れ、滝に、海に…それは歌が水の流れになって…
唄は、素晴らしいパワーを与えてくれる!!
「泣いたり」「笑ったり」…それは全て「唄の中にある!!」との感動を与えて
ここで、突如の「投げ銭拾いタイム」
そして
鼻がムズムズしてきた…誰かがやってくると
唄の師匠がやってきたと
ゲストの京がたり「ひぃさま」と藤間勘萃さんを円形ステージに招き入れる…
藤間勘萃さんの奏でるリュードに乗せて
「ひぃさま」が実話??を朗読する
「京がたり」は、小学校の卒業式のお祝いに母の帯をねだる子供のお話でした…この母の帯をねだる子供は「ひぃさま」自身であったらしい…
さてさて、ゲストの方の「京がたり」を挟んで第ニ部…
「サラサラ」が溶けたこの月が、な、なんと地球に近づいてくる…ということで、その頃地球で一人ぼっちで風を吹かせていたのが
佑之助さん演じる、風の「ピューピュー」
♪やべえぞ やべえぞ こいつはやべえぞ~
月がどんどん近づいてきて…
月から何かが落ちてくる!!
落ちてきたのは「火」の「ボーボー」
風の「ピューピュー」と火の「ボーボー」が暴れ回る…
そこに
落ちてきたのは「水」のサラサラ…
「サラサラ」は海となった…
そこで、生まれたリアル夫婦である「風」と「水」の愛のロマンス!!
客席とのコール&レスポンスは
忌野清志郎さんふうに
「愛し合ってるかい???」
もう投げ銭が、ご祝儀のように飛び交う!飛び交う!!
「水」と「風」と「火」と「石」と…
4人が集まったところで
みんな鼻がムズムズ
♪そーんでそれからどうなった こうなったんか そうなったんか~
石ころからタネが…それは木になり森となり…
水の中に卵が一つ…それはクラゲや魚になって
風の中では、鳥や虫、キョウリュウがとび…
火は花となって魂となって…
それが「ウタ」となって…「ウタ」となって…
今では、風の中に飛行機が
海の上には船が行き交い
火はお湯沸かすし風呂を沸かすし…
石は美味しい漬物漬ける…(笑)
「ゴロゴロ」や「ボーボー」や「サラサラ」や「ビュービュー」は
神様だったのかも…
だったら…手を合わさなきゃ…
あ、お賽銭を投げて
「二礼二拍手一礼」
この夜のよーな素晴らしい一日に、より多く巡り合えますように…とね!!
そんな「火の神様」
佐野キリコさんと!!
「ゴロゴロ」や「ボーボー」や「サラサラ」や「ビュービュー」の
神様お願い…
来年も…その次の年も…その次の年も…その次の年も…その次の年も…
野外劇団「楽市楽座」の公演がみられますように…
そのためには、みなさん元気で…
私も向こう30年くらいは元気で…(欲張り過ぎかな…20年くらいにしておこうかな)…いられますように…