端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

お 餅

2008-12-22 | Weblog
冬至も過ぎ 今年も本当に残り少なくなりました。
女の立ち話の中でも お餅の 準備の話が出るようになりました。

ほんの何年か前まで 田舎では 正月を迎えることは大変でした。
中でも 餅つきは4,5軒ごとの集まりで 年ごとに 当番の家を決めて
其の家で 共同で行っていました。 

その日は 朝早くから ブリキのバケツの水に入れられた 餅米が
それぞれ 持ち込まれます。

まだ朝日の出ないうちから 始まるので 勿論朝飯は抜きです。

木製の古びた三段重ねの蒸篭の 一番下が蒸しあがると男衆が 
ペッタンペッタン搗き始めます。

家の中では 一番の婆が 搗きあがった熱々の 餅をちぎるべく 
莚に座布団の 上がりガマチで 餅とり粉を広げて待ちます。
○餅文化圏の 私の地方 もちが四角なんて考えられません。
雑煮の餅も 丸ごと一個入ります。

熱々があがると 餅の主は お供えの数や大きさを指示し まず室蓋の中
に 収まります。 
年明けに嫁が 里に帰るときにも 嫁の実家に大きな餅を持たせるのが
習慣でしたから それも 準備します。

二回目が 搗きあがると 大きな鍋に 丸めた餡子が持ち込まれ 餡餅が
ちぎられ 女集が丸めます。
やわやわの餅は 子供をはじめ皆に 振舞われます。

今 思えば臼で搗いた 手作りの最高の贅沢な お餅でした。
それぞれの家で餡子の出来具合が異なり 大きさや 甘さ 固さも嫁次第
でした。
色々な餡餅を味わい 漬物をつまみ お茶を飲み 時間が過ぎていきます。

かたずけが済めば 皆で忘年会です。
子供から年寄りまで にぎやかな年取りでした。

餅つき機が安くで用意できるようになり 餅もあまり食べなくなり
ご近所の 世代も入れ替わり 今はもうそんな行事もありません。

見回せば 女で一番の婆は私 熱々の餅を真赤になった手で 千切って
いたかもしれないと ふと思っています。

庭の野ぼたん いつもなら霜で枯れているのに 今年はまだ 花を
付けています。
例年より暖かいのでしょうか。