超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

生誕の日が町の隅にも

2019-12-24 13:45:46 | 無題
待ちに待ったクリスマス・イブだ。
今年の仕事納めも一足早く済んで、家で祝っている。
今日は、午後、フィリップスのハイティンクのベルリンフィル
とのマーラーの巨人と復活のDVDを大音量で鑑賞しながら、
キッチンで家族とお皿に氷を入れて、スジャータのホイップを
ボールでかき混ぜて、ホイップクリームを泡立てて、
4号のスポンジ台にホイップを塗って、
300円の4個入り長崎いちごをトッピングして、あいだに
キーウィを挟んで、クリスマスケーキを作った。
このケーキを食べて、この一年の自分のつまずきを、
全部忘れて甘さにひたる。
夜は夕食後、ラテン語・英語対訳のウルガータ聖書を
めくって、ブルーノ・ワルター指揮のグレイトや、
ビーチボーイズのウルティメイト・クリスマスのCD
を聞いて、イブのひと時を味わうつもり。
Cum ergo natus esset Jesus in Bethlehem Juda in diebus
Herodis regis,ecce magi ab oriente venerunt Jersolymam.
(かくてイエスがユダヤのベツレヘムにヘロデ王の時代に生まれたとき、
見よ、東方から博士たちがエルサレムへとやって来た。マタイ2.1)
聖なるときが、また、やってくる。

年の瀬に聖なるときを連れてくる乳飲み子の日が町の隅にも
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奇跡の丘を観る

2019-12-21 13:23:26 | 無題
パゾリーニ監督の「奇跡の丘」というイエスの生涯を描いた映画を見る。
登場人物はみな、イタリア語で話す。パゾリーニ監督の信念なのだろう。
原題は「マタイによる福音」であるようだ。
ロケ地は中東の廃墟を使っているらしい。
音楽はバッハやモーツァルトのミサ曲から、黒人霊歌に至るまでかなり自由に織り交ぜている。
何と言っても乙女の聖母マリアの顔が美しい。
イタリア人にはボッティチェリの絵から抜け出てきたような美人が、実際いる。
皮肉なのは、洗礼者ヨハネの首を要求した、サロメもかなり美形だというところだ。
マリア受胎、東方の三博士の祝福と礼拝、エジプトに避難、イスラエルに戻る、
洗礼者ヨハネから洗礼を受ける、砂漠での断食で悪魔の誘惑に勝つ、
人間を獲る漁師にしてあげよう、と言って弟子を集める、
奇跡を行い、重病者を癒す、
パンと魚を増やして、飢えた人々に与える、
有名な、喩えの多い説教の数々、エルサレム入城、ユダの裏切り、十字架刑と復活。
つまり、聖書物語なのだが、多くの人が思い描く通りに福音書を白黒で再現した意義は大きい。
イエスの説教が早口で激烈過ぎて柔和さに欠けるのが惜しい。
評価の分かれる監督だが、この映画のイエス像は誠実に描かれている。
この時期にイエスの面影に触れられて満たされた気分だ。

福音を見える形で描き出す映画で動くイエス切なく
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クリスマス前夜祭一覧

2019-12-21 06:11:16 | 無題
やっと、休日だ。
この土日はクリスマスらしいことを何かしたい。
ほんとうは、ディノ・セクイ&ゲルハルト・ホッファー
演奏の4手のピアノによるブルックナー交響曲全集(!)
という驚きの好企画ピアノ演奏による全集がじき届くはず
なのだが、12月下旬とタワレコのサイトに書いてあって、
一向に発送されないので、これは多分、クリスマスに間に合わない。
メーカーさん、なぜクリスマスに間に合わせないのか判らない。
でも、この企画自体は最高なので、できれば、
4手のピアノによるマーラー交響曲全集(!)も続けて
お願いしたい。
それから、福住焙煎珈琲にまた行きたい。途中、教会を見て歩く。
さらに、イエスの生涯を映像化したパゾリーニ監督の
「奇跡の丘」という映画を今年もできたら見たい。
鶴見和子さんの「南方熊楠・萃点の思想(すいてんのしそう)」に目を
通したい。月曜は仕事をして、イブとクリスマスは
家でスポンジケーキにホイップクリームといちごを載せて
クリスマスケーキを作って食べたい。夢は尽きない
アドベントである。

友人にシクラメンなど届けたら冬至に歩く教会の町
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プルースト簡訳を読む

2019-12-18 07:14:07 | 無題
プルーストの「失われた時を求めて・全一冊」縮約版を深夜まで読む。
ひらがなの多い、平易な文体だ。多分、絡んだ筋書きを時系列に直して過去から晩年へと
読み易く並べ替えて書いている。
出だしは晩年の有名な紅茶とマドレーヌの場面だ。
紅茶とマドレーヌで叔母の家での幼年時代の経験を思い出して、我を忘れて
幸せを感じる場面。そこから、芋づる式に過去の記憶が意図を越えて想起される。
初恋の少女ジルベルトとの庭での出会い。ジルベルトは指で謎の仕草を示す。
ジルベルトとのふざけ合い。続く熱い思春期の恋。
青年になって、奔放な淑女アルベルチーヌとの大人の恋。
アルベルチーヌはある日、失踪する。アルベルチーヌは女性愛者だったことを知る。
アルベルチーヌの愛した女性たちへの奇妙な嫉妬。
初老の貴族シェルリスのソドムな性癖の生々しい描写。
シェルリスは金で粗暴な若者を従わせる。
かつての恋人、ジルベルトとの再会。
晩年になって、まざまざと蘇る、意図的でない記憶を書き留める
長い旅を始める決心がつく。時を巡る回想の物語の筆を執る・・・。
縮約版なので実物を読んだことにならないが、濃厚な耽美体験ができた。

濃厚にうねる記憶のナイル川 圧縮訳で耽美体験
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福住焙煎とプルースト

2019-12-17 17:14:43 | 無題
時間が空いたので、前から気になっていた珈琲店に行こうと思い立った。
幸い、雪も降っていなかったので、キタキツネは見られなかったが、
無事、福住焙煎珈琲店に着いた。
店の傍まで来ると、もういい薫りが漂っていた。
店内は広く、八角形のような造りで窓が大きく、焦げ茶の店内に
光がきれいに差し込んでいる。
店長が一人で切り盛りしている。「悪魔と深くて青い海」という
ジャズのスタンダードが流れていた。この題は英語の慣用句で、
絶体絶命という意味。ジョージ・ハリスンがカヴァーしていたので
歌詞もよく知っている。聞き慣れた曲に迎えられた気がした。
ざっと見たところ、珈琲は全品500円で、大きなマグカップに
濃い珈琲がたっぷり注がれている。私は、マンデリン。古本が多く置いてある。
店内もきれいで、雰囲気がよく、焙煎珈琲もおいしかった。
帰るとプルーストの縮約版「失われた時を求めて・全一冊」が届く。
「ぼくはふさいだ気分で、マドレーヌを紅茶に浸し、口に運んだ。
その瞬間、ぼくは震えはじめた。何かとんでもないことが、
ぼくの内側で起こっていた。(中略)そのときだ、とつぜん記憶が
はっきりと姿をあらわした。紅茶とマドレーヌ。この味をぼくは
コンブレーで味わったことがあった。毎週日曜日の朝に(以下略)」
冬の楽しみがまた一つ届いた。クリスマス前後に手に取る至福の一冊。

冬の日に焙煎珈琲すすり終え帰ると記憶の花束が来る
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