超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

読めばわかるキリスト教の歴史

2021-12-16 04:02:16 | 無題
日経文庫の「キリスト教からよむ世界史」読む。
イエスは弱い者、欠けている者こそ真っ先に救われるべきだと説いたところが斬新。
反ローマの政治指導者と目され十字架で刑死した。
使徒ペテロはユダヤ人を中心とする教会を建て、キリストの復活を見たパウロの
ギリシア語を話す人々の教会と並立していた。ともにローマ帝国の迫害に遭った。
313年、キリスト教の公認。
325年、アリウス派と父と子の同一性について教会は論争する。アリウス派は、子は父に劣るとしたが、異端とされた。三位一体の確認。
405年、聖ヒエロニムスが訳したラテン語のウルガータ聖書が、完成。公式聖書となる。
431年、ネストリウス派はイエスは神の被造物と主張。マリアは神の母でなく救世主の母だと訴える。イエスは人にして神ということでネストリウス派は異端とされる。
476年、西ローマ帝国の弱体化による滅亡。
修道院は瞑想生活だけでなく、次第に外に出て布教活動、慈善活動をするようになった。
6世紀末、グレゴリウス1世がグレゴリオ聖歌をまとめたとされている。
800年頃、カール大帝の登場による、西ヨーロッパの統一。カロリング・ルネッサンス起こる。
11世紀から12世紀に、グレゴリウス7世の教皇改革により、誰が司祭を任命するかを巡って、教皇と皇帝の間で叙任権闘争が起こる。グレゴリウス7世はローマ法や、アンセルムスの個人の罪は自分で償うべきとする神学を元に、中世教会法を整備。グラティアヌス教令集に結実する。中世教会法を手本にして、ヨーロッパの法制度が「近代化」する。教会は法人化する。

キリストが知るか知らぬか教会が紆余曲折で法人化する
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王様文庫の「空海の生涯」!

2021-12-14 17:59:25 | 無題
夕方から夜、由良弥生著の王様文庫の「空海の生涯」を読む。
久々に密教の凄い本を読んだ。一般向けの文庫とは思えない内容。
空海は官吏になるために大学で儒教を学んだが、儒教は人間学であり、万物の霊性に触れていない。ヒントになったのは、山岳修行者と虚空蔵求聞持法だ。
その後、華厳経を読み、歴史上の仏陀を越えた「仏」の世界が、そのままこの世界だという教えに目が開かれる。
けれども華厳経には、その仏と一体化するための、具体的な修行法が書かれていない。
それが書いてあるのが大日経だと聞き知って、その時代埋もれていた大日経を読む。
これぞ大日如来という仏の世界がそのままこの世界で、この仏と一体になる即身成仏の方法が書いてある経だと知る。
だがその修行法については、サンスクリット語の音写で書かれているところが多く、詳細はまるでわからない。
ということで、入唐してサンスクリット語をマスターし、唐の密教の第一人者、恵果に判らない点を尋ねる。
恵果は空海こそ密教の奥義を伝授するのにふさわしい人だと悟り、大日経、金剛頂経、理趣経の奥義を授けた。
大日経は仏の慈悲、金剛頂経は、仏の知恵、理趣経は仏身にとって情交はそのまま悟りの境地だと説く秘法である。
印や真言や観想法を直にことごとく教え、不空訳の経を初め、密教系の経や曼荼羅や仏具を授けて恵果は没し、空海は密教の後継者として一刻を惜しんで帰国する。

仏とは宇宙の知恵と説く経に成仏できる鍵を見て取る


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万葉集・早わかり

2021-12-10 16:44:57 | 無題
二日掛けて、「眠れないほどおもしろい万葉集」を
読み切った。
素朴で剛直な歌が多い。ますらおぶりと言う。
反対語はたおやめぶり。
万葉集は大伴家持らが選者。
万葉集から中西進氏が「令和」という字を選んだのは有名。
中西進氏は「ひらがなでよめばわかる日本語」など、
やまとことばの語源に踏み込んだ本をいくつか書いている。
目は芽で、鼻は花で、歯は葉と語源が同じと言い切っている。
「眠れないほどおもしろい万葉集」では、天智天皇と天武天皇の
兄弟の確執(ほとんどカインとアベル)、自分の側女にしようと
菜を摘む娘に名を尋ねる天皇の遊び心などいろいろ
面白いところがある。
柿本人麻呂と山部赤人が二大万葉歌人であるという。
麿赤児さんの名まえはここからつけたのではないか。
その頃の詠み人知らずの歌のうまさなど、層の厚さを感じる。

○いさなとり(鯨獲り)海や死にする 山や死にする
○死ぬれこそ 海は潮干て 山は枯れすれ
という歌など、「二〇三高地」の映画の主題歌のもと歌である。
意外と面白いエピソード満載だった。

海も死ぬ山も死ぬから何一つ動かぬものはない世界観
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芭蕉の旅もゴールインする

2021-12-06 18:04:46 | 無題
仕事の合間に読んでいた「奥の細道が面白いほどわかる本」土屋博映著・中経出版
読み終わる。
「行く春や鳥啼き魚の目に泪」で江戸を立った芭蕉と曾良がぐるっと陸奥を旅して、大垣を終着点としてゴールインした。
この旅で芭蕉が俳句の極意としてつかんだものは、不易・流行と軽みだという。
時代に流されないしっかりとした持ち味を保ち(不易)、それでいて、時代時代の風情も自在に取り入れる(流行)柔軟さが、俳句に軽みを与える。
それが、仏道の心得もあり、生涯を旅に生き、数々の名句をモノにした芭蕉の俳句の境地であった。
芭蕉の辞世の句は「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」であった。
この本によると、芭蕉は早くからこの辞世の句を用意してあったという。
モロッコで伏した登場人物が病にうなされて夢を見る、ポール・ボウルズの「シェルタリング・スカイ」(ベルトリッチ監督)を連想する辞世の句である。
数々の歌枕となった名所旧跡を訪ねながら、芭蕉の詩情を支えとするライフスタイルが活写されていて、なかなかいい句集かつ紀行文だった(と思わせてくれる参考書だった)。
読むのに半月近く掛かったが、充実感あり。
お勧めである。

日々臥して夢は冬野をひた走る いずれは星に迷う明日でも
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奥の細道は一種のブラタモリ

2021-12-05 19:43:27 | 無題
「長唄を読む」全3巻は途轍もない労作。
翻訳が、うがった読み方で、字面そのものの美しさ、
色合いをスルーして、独自の意訳をしている。
せっかくロマンチックな言い方をしているのに、
身もふたもない意訳になっている。
「奥の細道が面白いほどわかる本」は四分の3ぐらい
読んだ。松島を越えて歩き始めてから
のほうが有名な俳句が多いのに気づく。
「五月雨を集めて早し最上川」
「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」
などである。今は出羽三山で修験道の気分を味わって、
港町に出たところ。
こうしてみると、奥の細道は、
ブラタモリ的な要素が多分にあるように思う。
「テレビなんか見てないで早くどこかに行こう~♪」
読書散策していないと、仕事仕事の毎日で、
どうにもこうにも、やってられない。

降雪を集めて早い冬の川 道行く人の慣れたふるさと
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