青い空とわたし

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夏の会津駒ケ岳登山(滝沢口~山頂~中門岳)

2015年08月18日 23時02分04秒 | 同上 (山歩き)
8月16日(日)

「日本百名山」の著者、深田久弥先輩(高校の)は会津駒ケ岳について次のように書いている。

 私が初めてこの山を親しく望んだのは、尾瀬の燧(ひうち)岳の頂上からであった。北にあって長い山稜を持った山が見える。一頭地を抜いた峻抜な山の形には見えないが、その尾根の長いおだやかな山容が私を魅惑した。そこで私は会津駒ケ岳へ向かった。昭和十一年(1936年)六月のことである。



▲ 私も、去年7月に燧ケ岳に登っていく途中、後ろを振り向く度にこの山↑、会津駒ケ岳のたおやかな山影が遠くに見えた。して思った、「来年は、あそこに登ろう・・」と。




▲ 登山口取付点前の駐車場で車中泊の朝。

4時に起きるも、小雨がぱらついているのが音でわかった。
天気予報では、8時頃から小雨から曇りになって、昼にかけて晴れマークに転じている。

7時半ごろまで、クルマの中で待機。覆う雲に少し青い切れ間が見えてきた。
「ヨシっ、じゃあ登るか!」

駐車場は朝早くに満車になっており、もうみんな出払っているようだ。
「だよな」、
ここまで来て(雨が降っているからといって)登らず帰るということは普通はしないだろう。




▲ 取付点1105mからスタート。7:26AM

木製の階段を上って、登山道を進んだ。

樹林帯の中を、黙々と2時間近く上り続ける。



▲ 始めはブナ、カエデの紅葉樹林が続き、その後シラビソ等の針葉樹林に変わっていった。
視界はそれほどなく、ここはじっとがまんの登りだった。人生そのものだ(笑)。

それでも、



▲ 上り始めて2時間ぐらいしたころ、やっと稜線が見えてきた。

景色が、どんどん開けてくる。




▲ 低木の間に、木道が出てきた。これは湿原状の高原に入るサインだ。

と思うやまもなく、会津駒ケ岳の頂上から続くなだらかに傾斜した山肌が目に飛び込んできた。




▲ 正面に、目指す会津駒がゆったりと横たわっている。

木製ベンチが設けてあるところで、ひと休みする。

久弥先輩が訪れたのは6月。この山腹にはまだ残雪がたっぷり残っていたであろう。
彼は、会津駒ケ岳の名の由来は、残雪の山全体が駒(馬)が勢いよく走るように見えたからだろうと、書いている。なるほど。


お、あたりを見まわすと、花が咲いている。



▲ 黄色い花と白い花が群生している。





▲ 黄色い花のズーム。ピンボケしてるやない、キミい。(すみませんコンデジで)




▲ 白い花のズーム。 可憐だね。




▲ 木道の側にも、こんな感じで。




▲ しかし、実はこんな花も。 この方(ほう)がきれいだと思った。

ススキの花かな。だとしたら、もう秋が確実に忍び寄っているのかも。


さらに木道を歩き進むと、



▲ あの丘(?じゃないな)の上に、三角屋根の建物が。

あれは、駒ノ小屋だろうな。

広々としていて、イイねー。




▲ さあ、あの小屋まで登っていこう。

イイねー。ハイキング気分になってきたよ。




▲ 右を見れば、会津駒の山頂がますます近くに。

左手から巻くようにして登るようだ。




▲ 小屋まで、もう少しだ。

あ、少女ハイジがボクに手を振っている。(オジンの幻想)


小屋の前に到着。



▲ 駒大池に、目の前の会津駒が姿を映している。

駒大池を回りこんで、下へわずかに下降して頂上ふもとの左下から巻くようにして登っていく。

上昇していく途中で振り向くと・・・
見えたあ、確かに・・・



▲ 昨年登ってこちらサイドを眺めたところの、あの燧ケ岳が

双耳峰ではっきりと! えーと、たしか柴安グラと俎(まないた)グラだ。

(文字と同じく大き目にアップしてます)




▲ 巻いたあと、頂上に行くには最後にこの木道を登っていった。

きついな。

こんな写真は載せたくなかったが、ブロ友の錫杖(しゃくじょう)さんが、「会津駒で覚えているのは登山口の木道と頂上への木道だけ」、みたいなコメントを先日寄せてられたので、覚えを新たにしていただくよう載せておこう。





▲ 会津駒ケ岳山頂2133m。10:45AM 

3時間ちょっと要した。ほぼコースタイムどおり。




▲ 狭い頂上からは、この南側つまり尾瀬、燧ケ岳の方向だけ展望がきく。

右端に、先の燧ケ岳を認める。裸眼ではこれぐらいの大きさだ。


この山頂から、小屋前に戻るのではなく更に右手に位置する中門岳へ下る道を降りていった。

途中で、



▲ この黄色いユリみたいな花は、




▲ はい、ニッコウキスゲ(だと思います)。

ニッコウキスゲは尾瀬沼では7月いっぱいまでだろうが、まだここに咲いていた。




▲ こんな白い穂状の花も咲いておりました。 コバイケイソウ。





▲ こんなスミレみたいな花もてんてんと。 ハクサンコザクラ。




▲ これは、あはは。みんな知っている、ワタスゲだ。

まだ、咲残っている。




▲ この黄色い花は、コシノキンバイ(そりゃ酒の名前だ)じゃなくて・・なんとかキンバイという花だと思う。




▲ この白い線香花火みたいな花は、高山植物ではポピュラーだよね。よく見かける。




▲ 中門岳へ至る道はほぼフラットな湿原。あちこちに小さな池塘(ちとう)が点在している。

尾瀬ヶ原のスケールの大きい池塘に比べたら、かわいいものでシンプル。
まわりに、ワタスゲがまだ残っている。

もっといえば、このあたりはガイドブックでは「山上の庭園」と称されている。

私が今日来たのはちょっと時期的に遅かったかな。

♪かおるちゃん、花は遅かった・・


それに、また雲が庭園を覆い始めてきた。




▲ 中門岳2060mに到着。駒ケ岳山頂からほぼ1時間の遊歩だった。

しかし、まわりはどんどん雲がたちこめてきた。
コンビニ弁当を急いで食べる。

喰い終わると、即出発。戻ろう。




▲ 前の駒ケ岳山頂も雲がかかってガスってきた。

ヤベー。

雨降って、雷が鳴り始めたら最悪。

もうあとは、小屋まえを過ぎて、来た道をとっとこ下るだけ。
樹林帯の中では小雨まじりに。

幸いに山の下は比較的明るくて、雨足には勝って下山できたようだ。




▲ ああ、やっと登山口の木製階段が見えてきたよ。(サービス写真)

もう、ここは何事もなかったように晴れている。




▲ 駐車場に無事帰還。14:40 PM 約7時間ちょっとの山行となった。

朝のクルマはほぼ出払っている。

左足の膝の腱が痛い。私の弱点箇所だ。最近は痛まなかったのに。

いつもなら、頂上で1時間近く休んでから下山するのだが、今日は弁当食べたら即降りてきたからなあ。

ま、とにかく無事終えた。よかった、よかった。

いつものように、珈琲を淹れて(今回はスタバ・イタリアンロースト)1時間ほどクルマのなかで休憩。


~・~・~・~・

休憩のあとは、なにはともあれ風呂に入りたい。
汗はぐちょぐちょかいたからな。
だからだろうな、アブにしつこくつきまとわれて。

ということで、来たのは駒の湯




▲ 駒の湯。

桧枝岐村には、三つの日帰り温泉がある。昨日のアルサ尾瀬の湯、今日の駒の湯。そして最も尾瀬寄りに燧の湯だ。どこも500円。




▲ ここも空いていた。

左足の腱をよーくもんで。

お風呂の後は、少し早いが夕食を食べよう。
ここ平家落武者の隠れ里では、もちろん蕎麦。




▲ 裁ち蕎麦、開山へ。




▲裁ち蕎麦とは、そば粉を伸ばしたものを数枚重ねて、布を裁つように切っていくから裁ち蕎麦という。
と説明があるが、なんのことかよくわからん。

ソバももちろん美味いが、ボクが好きなのは写真左上の「はっとう」だ。



▲ はっとう。蕎麦粉で作ったモチのこと。もともとお餅は好きだが、これは風味があってうまい。

全部で1200円ぐらいだった。




▲ 夕食のあとは、ここミニ尾瀬公園(9時~5時有料)に移動。

無料駐車場は広い。
明日月曜日は休みをとってある。
今晩はここで宿泊して、明日ゆっくり帰ることにしよう。

7月の仙丈ケ岳、8月のきょう会津駒ケ岳を登った。
どちらも標高差1000m以上。
これで、来年夏の利尻富士(標高差1300m)への足掛かりが出来たかな。





関連日記 : 「夏の尾瀬・燧ケ岳登山(御池コース)」2014.7.26