この路地が好きです。
この一画が陽だまりになると共に、正面の木造和洋折衷家屋の存在感が好きです。この家の造りは、子供が大きくなって子供好みに部屋を建て増しし、子供が成長して家を出て行って現在に至っているもの、と勝手に想像しています。
この陽だまりの一画は赤い路地です。
南天が陽射しに映えます。白い部屋に陽が注ぎます。
目に染みる青い空です。眩しい白い壁です。
路地の奥にはお地蔵様が祀られています。谷中は古い街で、空襲に遭った街です。
振り返ります。
春待ちの路地です。