長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」で開催された名人戦七番勝負第4局は、先手の渡辺明名人が133手で激戦を制して勝利、3勝1敗として名人位防衛にリーチをかけました。
今回は1日目からガップリ四つの駒組となり、千日手になるかという場面が何度もありましたが、2日目の午後になってから、ようやく駒がぶつかり合って激戦の展開となりました。
いつもと異なり、渡辺明名人の状態がなかなか好転しない展開となりましたが、どうも、その原因が「虫」。会場が長野県の高山村ですから、虫が人間と共生している状態は当然の世界なのですが、これがどうも駄目だったようで。
渡辺明名人は虫が苦手で、部屋に虫が飛び回ると集中力が落ちる様子。2日目の午前中までは、対局室を飛び回る虫のせいで調子があがりません。しかし、昼休みの間に、駆除が行われて、ここから調子が出たのか、ペースが変わります。もちろん、虫がいたから駄目で、いなくなったから良くなったということではなく、攻防は一進一退のなか、集中力が増した名人の力が爆発したのが、2日目の夕方以降。
最後は、リードを保ったまま、絶対に間違わないぞ、という差し方で斎藤八段を追い詰めて、133手で勝利致しました。
これで名人位防衛に王手。第5局は、28日(金)29日(土)に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で開催されます。ここで一気に、防衛を決められるか? 注目いたしましょう!!