まずは府中の青葉賞。勝ったのはルーラーシップ産駒ワンダフルタウン。京都2歳S以来の重賞2連勝でダービーに向かいます。道中は好位6番手で、直線では外に持ち出していったん先頭に、その後は内から伸びてきた1番人気のドゥラメンテ産駒キングストンボーイとの叩き合いをゴール前でハナ差だけ制して勝利しました。ワンダフルタウンは落鉄していたにもかかわらず、このパフォーマンス。本番も楽しみです。
ワンダフルタウンは、本番では、一昨年のリオンリオン同様に、思い切った逃げに出れば面白い結果が出るかもしれません。あの時は2番手追走のロジャーバローズが大穴を開けることになりましたが、今年の有力馬は、差し馬・追込み馬が多いので、前々から行く馬に穴を開けるチャンスが巡ってきそうです。それから、来年2月に定年を迎える藤沢和雄調教師にとっては今年のダービーがラスト。最後のチャンスには、2着のキングストンボーイで挑戦することになります。
そして阪神の天皇賞春。久々に、一流騎手による、スタート直後からの激しい主導権争いや、残り1000mからの消耗戦の叩き合いが、素晴らしく見ごたえのあるレースでした。勝ったのは、ディープインパクト産駒で一昨年の菊花賞馬ワールドプレミア。騎手は、怪我で休んでいた武豊騎手からバトンを受けた福永祐一騎手。
まずスタートから、坂井琉星のディアスティマがダッシュで先頭を取ると、2番手ジャコマルのすぐ横の3番手の位置を戸崎圭太のカレンブーケドールがしっかり確保。そのすぐ後ろには、12番枠からスタートダッシュで和田竜二のディープボンドが4番手シロ二イの外5番手に位置を取る。上位5頭を見ながら、1馬身開けてルメールのアリストテレスが6番手を追走。そしてのその直後に福永祐一ワールドプレミアと、横山武ウインマリリンが控えるという隊列。
今回は、外回り⇒内回りというコースなので、最初の、この位置取りの差が勝敗を分けたり、順位を決めたと言っても良いと思います。まず上記の中で位置取りがダメだったのは、横山武ウインマリリン。この馬はディープボンドの前、3番手くらいに位置を取らなければいけなかったのですが、14番枠からダッシュがつかずに、あの位置になりました。というよりも、ディアスティマもカレンブーケドールも、ディープボンドもアリストテレスも、取らなければいけないポジションを取るために、全ての騎手が完璧な騎乗をしたのに対して、横山武騎手は、あまりに普段どおり過ぎたということ。
この順番のまま、残り1000mからペースが上がり、予想されていた消耗戦に突入しました。まずディアスティマとカレンブーケドールが抜け出し、そのまま押し切りそうな勢いで直線に入りますが、すぐ横から、そうはさせずとディープボンドが、そして中段にいたワールドプレミアが、前2頭との叩き合いに参戦してきます。一時は、カレンブーケドールが抜け出すのかという場面もありましたが、ゴール前の坂に差し掛かると、ディープボンドとワールドプレミアの2頭が抜け出して、最後はワールドプレミアが3/4馬身前に出ていました。
なお、4着のアリストテレスは、ディープボンドとワールドプレミアが仕掛けた時に、モタモタとついていけませんでした。これはスタミナというよりはメンタルだと思いますので、出来れば秋まで休養させてあげるべきだと思います。
ところで、福永祐一騎手は天皇賞春は初制覇で、エリモジョージで勝った福永洋一騎手と親子制覇だそうです。それにしても、お手馬を譲ってくれた武豊騎手から「飯、おごれ!」って言われますね、絶対に!