写真1 無加温ハウスの両サイドにバンカークロップの麦が植えてある。イチゴを摘む調査仲間
写真2 無加温ハウス西側のバンカークロップの麦
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1.有機農業の里で生き物調査を始める
去る5月19日、霜里農園(しもさとのうえん)と、同園が立地する下里地区の生き物調査に職場の同僚2人と出かけた。
2.霜里農園の有機農業は地元へ普及
皆様ご存じのように、霜里農園は我が国における有機農業の大先達・パイオニアである金子美登(かねこよしのり)氏が約40年前から経営する有機農業のメッカ。
現在、霜里農園の有機農業は周りの下里地区へ波及し、地区にある約20haの水田で在来大豆、小麦、水稲などが有機栽培されている。
きっかけは、12年ほど前、地区のリーダー安藤郁夫氏が金子氏に有機栽培を実施したいと提案したことにある。その後、支援の企業や食味者(農産物を単に購入・費消するのでなく、農業者の技術と汗ならびに農産物の味を理解し価格に上乗せできる生活者。)などに、大豆、小麦、水稲を有機栽培継続可能価格で全量販売している。
その過程において、埼玉県東松山農林振興センター農業支援部(普及指導員)が支援したことを忘れてはならない。
3.金子氏に生き物調査の了解を得る
さて本題に戻ろう。霜里農園を含む下里地区は有機農業の里ゆえ、多種多様の生き物が生息しているはず。それを視認するため、我々3人は春夏秋冬の調査を繰り返す予定。
5月19日が調査初日。金子氏に趣旨等を伝え、霜里農園での生き物調査の了解を得る。
4.有機栽培イチゴにバンカークロップ
金子氏から、ハウスのイチゴで喉を潤してください、とうれしいお言葉。
さっそく頬張る。これが有機栽培のイチゴか、なーるほど、5月下旬でも粒、甘味ともに適度(写真1・2)。
無加温ハウス内の両側を見ると麦が植えてある(写真1・2)。
農作業中の男性に、“あの麦は、なんですか”と尋ねる。
“バンカークロップです。寄生バチの餌場になります”と教えてくださる。
すなわち、寄生バチがイチゴにつくアブラムシに卵を産みつけ、アブラムシの繁殖を抑える。
麦には寄生バチの餌になるアブラムシが集まる。ただし、このアブラムシはイチゴに害を及ぼさない。
このような天敵生物利用によって農薬を使わないイチゴ栽培が可能となる。
引用・参考文献等:当ブログ2011年02月11日・同月12日・2012年02月16日
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年05月19日 撮影地:埼玉県比企郡小川町
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