駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ずれるコスト感覚

2012年10月10日 | 医療

      

 街中で医業をしていると、患者さんの当然感覚に困惑することがある。医療費は自己負担部分と保険で支払われる部分に分けられているのだが、いづれも医療行為の対価として支払われている。

 毎月数人、薬の一部あるいは全部を失くしたと来られる患者さんが居る。失くした薬の再処方を要求されるが、多くの患者さんは自己負担部分を支払えばよいと思っている。無くした薬の分には保険が使えないのを理解しておられない。受付は困る。

 正直、数日分であれば・・・してしまうこともあるが、いずれの場合も受け付けであれこれ説明をしなければならない。

 医療費には保険負担分があること、普通の買い物とは違う診察検査投薬という構成があること、そして医療費が高いか安いか(適正かどうか)は素人にはわかりにくいことなどがあるので、コスト感覚がずれてしまうらしい。

 確かに医療費は研修医よりも熟達医の方が安かったりするから、感覚が狂うのはわからないでもないが。

 

コメント
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