今年のノーベル医学賞を山中伸弥京大教授が受賞された。教授が創り出したips細胞は目に見える具体的な成果を医療にもたらすと期待され、これから多大な貢献恩恵が生まれるだろう。
教授の研究を知って、最初に私が感じたのは、意外に簡単な操作で細胞の初期化が起きてしまうということへの驚きだ。もっと複雑な操作が必要だと考えていた。それは多分、私が持っていた命が不可知で尊いという感覚に由来すると思う。同じような感覚を持って居られる方も多いと推測する。こうして生命が操作できるようになったこと(この表現には議論があろう)には多少複雑な気持ちがある。
人間は度しがたい生物で、原子力で躓いたように、ips細胞応用で勇み足のないように祈っている。人間の心は科学のようには進歩しないからだ。
教授がいみじくも言われたように日本という国の受賞という部分があれば有り難く嬉しい。人類から日本へのメッセージとも受け取れる。