駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

警察からの電話

2013年07月31日 | 診療

            

 早い梅雨明けに猛暑で、今年の夏はと凄いぞ思っていたのだが、この二週間ほど夏空は少なく蒸し暑い梅雨のような曇天が続いている。今朝も蝉こそ鳴いているが、夏らしくない曇天の下を駅まで歩いた。

 昨日の午後、警察の中央署から電話が掛かってきた。Yさんが自宅で亡くなって居るのが発見されたとのことで問い合わせだ。年に一二回こうした電話が掛かってくる。

 自宅で亡くなっているのが発見された患者さんには、数ヶ月前まで通院していた患者さんが多い。中には一年以上来院されていない方も居るし、現在通院中だった方も居る。殆どが男性の一人暮らしだ。不思議なことに女性や生活保護の人は少ない。

 Yさんは重い心臓病と糖尿病があったが何とか一人で暮らして居られた。十日ほど前に受診された時には、特別変ったところはなかった。家族が居たら、変化があった時私に連絡が取れ、往診して死亡診断書を書くことができたかもしれない。

 自宅で人知れず亡くなる方は、恐らく徐々にというよりは比較的急な病態の変化によるものだと思う。女性や生活保護の人が少ないのは、助けを求めるのに慣れているというと妙な言い方だが、孤立していないというか孤立を選ばないからだろうと思う。

 個人それぞれに歴史と理由があるから、一概には言えないが、男性に孤死が多いのは間違いない。しかも後期高齢者は少なく、認知があってもごく軽い六十代から七十代前半が多い。私の診療圏がウエストエンドでこうした事例が多いのかもしれないが、それでも市内で年に百名程度の死亡検案例があると思われる。そうしたことへの意見感想は控えるが、警察の方々にはご苦労様と申し上げたい。

コメント
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