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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

2位でも大丈夫

2018年11月12日 | 小考

               

 

   木村太郎というコメンテイター?が首相には蓮舫参院議員が相応しいと発言し、その理由として「2位じゃダメなんですか」という発想を支持するからだと述べたと報じられている。

 「なんでもかんでも1位じゃなきゃいけないっていう考え方が日本の社会を硬直化させている。いいじゃないか、2位だって最下位だって。そういう柔軟な考えの政治家が出てきて欲しい」。確かにそういう側面はあると思う。木村太郎氏に注目しているわけではないが、ユニークで常識外れのようで時に核心を突く発言をするようだ。

 この発言だけで首相にというのは飛躍しているというかかなりの省略があると思うが、臨床医をしていると確かに日本人は何でもかんでも1位を求め過ぎると感じることがある。並で良いという慎ましく謙虚な心根が日本人の良さと思っていたが、それは建前に過ぎないあるいは平成になって変わったのだろうか。八十でこれだけお元気なら御の字と医者が思っても患者さんは隣の爺さんは八十八なのに私より元気とご不満そう、大腸がんで三年後に肝転移が見つかるとご家族の中にはがんセンターで治療を受ければよかったと恨めしそうに言われる場合もある。がんセンターで治療を受けても同じような経過だったと思うのだが、一番と言われる所の治療を受けさせたかったと思われるのだろう。

 何が一番いいなんて簡単にはわからないし、一番の評判の所にみんなが殺到したらどうなるか、金に糸目は付けないとみんなが高価な治療を受けたらどうなるか。評判倒れも多いし、高い薬がよく効くとは限らない。とにかく簡単に一番を望むのは行き過ぎで錯覚があると思う。

 日本の技術は世界一というのはそういう所もあるそういう時もあったとなりつつある。何でもかんでも一番が良いですか、失礼ながら其れもあなたがと聞き返したくなることもある。木村氏の硬直化とはちょっと違うが、何でもかんでも簡単に1位を所望されるのに首を傾げることがある。

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