梶先生のお話はいつも、とっても魅き込まれます。
メディアにもよく登場なさっている、梶高明先生の人気の「見て!触れて!学ぶ!骨董・美術」講座。
この日は掛軸と陶器のお話でした。
(ちなみに前回伺った際は、美しい屛風絵と陶器。安芸・宮島を生き生きと描いた屛風、華やかな洛中・洛外図。いずれも圧巻でした)
掛軸は、季節にあわせて掛けるもの。
秋と冬に向けた、3幅をご用意くださいました。
そのうち岩倉具慶の狐の絵に大田垣蓮月の歌が添えられた作品を見ながら、「宗旦狐」「白蔵主」「釣狐」のそれぞれの狐を主題とした絵の表現する情景について解説を加えたうえで、季節とのつながりをわかりやすく、楽しく、お話しに。
さらに、大田垣蓮月が西郷隆盛に「武力での争いは、憎しみの連鎖となる」として江戸城の無血開城を勧めた、とされていることに触れ、「この掛軸が、岩倉具視の養父である具慶との合作である点が興味深い。当時の勤王志士と蓮月の関係性をうかがわせる」と、残された作品が伝える史実を、静かに説明なさったときは、会場が凜とした雰囲気に包まれました。
今回の陶器のテーマは、川喜田半泥子。
本業は実業家で、陶芸は「趣味」であったため、その作品は「売る」のではなく、全てが友人たちに譲られました。
当時は今のように作品に高い評価はされておらず、銘が入っていたわけでもなく、箱書きもないものがその大半でした。
そんな半泥子の手によるとされる作品が、過日、オークションに出品されました。
ここから、梶先生が、それを半泥子の作品である可能性が高い、として競り落とした際の「判断」を、惜しげも無く紹介なさいます。
「半泥子のにおいがする」。
そう梶先生はおっしゃいました。
では、そのにおい、とは。
オークションで購入した作品を一つひとつ裏返し、「高台をみてください」。
他の作品も並べ、「職人が作った高台は、このようになっている。半泥子の作品はこう。どうですか。これらを見て」と、この誌面では語り尽くせませんので控えますが、プロの目利きのポイントを具体的に紹介なさいました。
さらに、●百万円する魯山人作のぐい呑みを横に置き、ぐい呑みが多く作られ始めた時期を説明。
ぐい呑みという言葉が定着する前は「猪口」「觴」などの呼び名が主流であったことをもとに、半泥子が制作していた年代と照らし合わせます。
そして、土。
ここまで話しても大丈夫なのか、と心配になるほど、梶先生が「目利きのポイント」を次々と、わかりやすく、そして楽しく、説明してくださいました。
「どうぞ、近くに行って、順番に実際に触ってみてください」。
テーブルの上には、●百万円の作品も複数置かれ、普段だと美術館のケース越しにしか見られないような品々を、「目利きのポイント」を確認しながら、見て、触れる、ぜいたくな時間が流れます。
半泥子の弟子である坪島土平氏と会食なさった際のエピソードも、とても楽しいものでした。
この講座のぜいたくさは、講座の中身だけではありません。
講座の前に、会場で、お茶と京菓子を、すてきなうつわでいただけるのです。
この日の菓子器は、北大路魯山人造の鶯図鉢。
茶盌は、古瀬戸新兵衛茶盌、瀬戸平茶盌 銘おにあざみ、瀬戸唐津皮鯨茶盌。
菓子は、銘 笹くり、和久傳製。
お茶は、銘 山月の白、福寿園詰。
なんだかいろんなところが満たされ、幸せな気分で講義が終わりました。
梶先生の講座は、土曜日のクラス(こちら)と、水曜日のクラス(こちら)があります。
骨董初心者の方も、もちろん大歓迎。
楽しく、おいしく学ぶ骨董講座。
ぜひ、お気軽にご受講ください。
朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
(中之島、京都、くずは、川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
メディアにもよく登場なさっている、梶高明先生の人気の「見て!触れて!学ぶ!骨董・美術」講座。
この日は掛軸と陶器のお話でした。
(ちなみに前回伺った際は、美しい屛風絵と陶器。安芸・宮島を生き生きと描いた屛風、華やかな洛中・洛外図。いずれも圧巻でした)
掛軸は、季節にあわせて掛けるもの。
秋と冬に向けた、3幅をご用意くださいました。
そのうち岩倉具慶の狐の絵に大田垣蓮月の歌が添えられた作品を見ながら、「宗旦狐」「白蔵主」「釣狐」のそれぞれの狐を主題とした絵の表現する情景について解説を加えたうえで、季節とのつながりをわかりやすく、楽しく、お話しに。
さらに、大田垣蓮月が西郷隆盛に「武力での争いは、憎しみの連鎖となる」として江戸城の無血開城を勧めた、とされていることに触れ、「この掛軸が、岩倉具視の養父である具慶との合作である点が興味深い。当時の勤王志士と蓮月の関係性をうかがわせる」と、残された作品が伝える史実を、静かに説明なさったときは、会場が凜とした雰囲気に包まれました。
今回の陶器のテーマは、川喜田半泥子。
本業は実業家で、陶芸は「趣味」であったため、その作品は「売る」のではなく、全てが友人たちに譲られました。
当時は今のように作品に高い評価はされておらず、銘が入っていたわけでもなく、箱書きもないものがその大半でした。
そんな半泥子の手によるとされる作品が、過日、オークションに出品されました。
ここから、梶先生が、それを半泥子の作品である可能性が高い、として競り落とした際の「判断」を、惜しげも無く紹介なさいます。
「半泥子のにおいがする」。
そう梶先生はおっしゃいました。
では、そのにおい、とは。
オークションで購入した作品を一つひとつ裏返し、「高台をみてください」。
他の作品も並べ、「職人が作った高台は、このようになっている。半泥子の作品はこう。どうですか。これらを見て」と、この誌面では語り尽くせませんので控えますが、プロの目利きのポイントを具体的に紹介なさいました。
さらに、●百万円する魯山人作のぐい呑みを横に置き、ぐい呑みが多く作られ始めた時期を説明。
ぐい呑みという言葉が定着する前は「猪口」「觴」などの呼び名が主流であったことをもとに、半泥子が制作していた年代と照らし合わせます。
そして、土。
ここまで話しても大丈夫なのか、と心配になるほど、梶先生が「目利きのポイント」を次々と、わかりやすく、そして楽しく、説明してくださいました。
「どうぞ、近くに行って、順番に実際に触ってみてください」。
テーブルの上には、●百万円の作品も複数置かれ、普段だと美術館のケース越しにしか見られないような品々を、「目利きのポイント」を確認しながら、見て、触れる、ぜいたくな時間が流れます。
半泥子の弟子である坪島土平氏と会食なさった際のエピソードも、とても楽しいものでした。
この講座のぜいたくさは、講座の中身だけではありません。
講座の前に、会場で、お茶と京菓子を、すてきなうつわでいただけるのです。
この日の菓子器は、北大路魯山人造の鶯図鉢。
茶盌は、古瀬戸新兵衛茶盌、瀬戸平茶盌 銘おにあざみ、瀬戸唐津皮鯨茶盌。
菓子は、銘 笹くり、和久傳製。
お茶は、銘 山月の白、福寿園詰。
なんだかいろんなところが満たされ、幸せな気分で講義が終わりました。
梶先生の講座は、土曜日のクラス(こちら)と、水曜日のクラス(こちら)があります。
骨董初心者の方も、もちろん大歓迎。
楽しく、おいしく学ぶ骨董講座。
ぜひ、お気軽にご受講ください。
朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
(中之島、京都、くずは、川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。