
週末に楽しむ絵画教室からのお知らせです

第63回奈良県展が開催されました。洋画部門の入選率は48%という厳選だったのですが、
「週末に楽しむ絵画」教室の柏さんと市川さんが今回も素晴らしい作品で会場に大いに華やぎを添えておられました。
柏貴夫さん 「3.11の記憶」 F50号

助けを求める女性の悲痛な声が聞こえてくる「プロセルビナの略奪」というイタリア・ベルニーニ作の彫刻に着想を得て、
あの大震災を描かれたものです。
ギリシャ神話では、冥界の神・ハデスが野に花を摘むプロセルビナをさらって凱旋車にのせ、地面に強大な裂け目を作って
無理やり地下の王国へ連れ去ったといいます。
突然の出来事から必死に逃れようとする彼女に襲いかかるハデスのような津波。3.11の寓意として制作されました。
尚、柏さんは昨年、最高賞の県展賞を授与され、今年から無鑑査に昇格されました。
市川順子さん 「向日葵」 F50

絢爛に咲き誇こり、今まさに盛りを終えようとする向日葵の花。花の色の黄をバック一面に塗りこんだ不思議な世界を作り、
いのちのつながりのスローモーションを見るようです。
たわわに、しっかりと種をつけていますが、よく見るとさりげなく「朱」が縦横に走っていて、
この「朱」は何を意味するのか・・・と絵の前でグッと考えさせられます。
それは乾いた涙の跡か、血の滲むような苦しみの記憶なのか、そこから幾つも幾つもストリーが組み立てられてきます。
絵にいろいろと尋ねたくなるような作品でした。
展覧会は奈良県文化会館で、10月27日(土)~11月3日(土)まで開催されました。


ご見学もしていただけますので、お気軽にご連絡ください





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