6月から、「銀河鉄道の夜」のミニパネルの制作を始めました。18㎝×18cmの小さな作品です。思いついた順に作っているので実際の物語と順序がバラバラで、何枚できるのか、いつ完結するのかわかりませんが、将来まとめてどこかで展示できるようにしたいと考えています。
「銀河鉄道の夜」をテーマにした作品作りのために物語自体は何度も読んでいて、作品の構想自体はぼんやりと2、3年前からありました。ただ、自分の中でカンパネルラのイメージが割と早くに思い浮かんでいたのに対して、ジョバンニのイメージがなかなか固まらず、ずっとそのままになっていました。私の中でジョバンニのイメージが明確になり、最近作っていたキャンドルホルダーがある程度完結した辺りで以前描いていた絵を引っ張り出し、再度「銀河鉄道の夜」に向き合うことにしました。
そしてなかなか「銀河鉄道の夜」をテーマにできなかった理由として、あまりに有名作品すぎて、既に多くの方が絵にしているがために逆にオリジナルのイメージが浮かびづらかった…ということもあります。ちなみに私の中で銀河鉄道と言うと、ますむらひろしさんの猫のイメージが強烈にあります。子供の頃家にアニメのビデオがあって、何百回(!)見たことか…子供だったので断片的にしか覚えてはいないのですが、ジョバンニが帰宅した際に、お母さんが声だけして姿が全く見えなかったり、牛乳屋さんへ行くシーンが子供心に怖かった記憶があります。最近改めてDVDを見直して色々納得
まずは、先にイメージの固まっていたカンパネルラから作り始めました。ジョバンニが汽車の中で、カンパネルラに会うシーンです。
「すぐ前の席に、ぬれたように真っ黒な上着を着た、せいの高い子供が、窓から頭を出して外を見ているのに気が付きました。」
「みんなはねずいぶん走ったけれども遅れてしまったよ。ザネリもね、ずいぶん走ったけれども追いつかなかった。」
↑この2枚が、6月に出来上がったもの。初めての試みですが、ティファニー作品のように人物にのみ絵付けを施し、背景はガラスのテクスチャーで表現することにしました。7年ほど前、ステンドグラスをしていた方の遺品整理でガラスを沢山頂いたのですが、自分が普段使うものとは違ったタイプのガラスが多くてなかなか使う機会がなかったのですが、今回それらが一気に日の目を見ることになりました。まず、青と緑の混じった分厚いガラスが宇宙空間として大活躍。黒に見えるガラスは実は茶色です。思ったよりも強い色のガラスでしたが、逆に夜の車内の雰囲気が出て良かったかも。
前後しますが、次に作ったのは物語冒頭部分の「午後の授業」。ジョバンニの髪は茶色いアンティークガラスで適当なものがないので、帽子と同じオレンジのガラスの裏からトンシェールという茶色い顔料を入れてみたんですが、予想以上にオレンジっぽさが消えて自然な感じに仕上がりました。
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
そして、白鳥の停車場で途中下車して、水晶の河原に来たところ。先の天の川の白い流れの入ったガラスと、水色のボコボコしたガラスは、やはり昔ステンドグラスをされていたという方が最近送ってくださったものです。人からガラスをもらうと自分の作品の幅が広がって良いかもしれない…。絵付け部分には手持ちのアンティークガラスを使っていますが、だんだん手に入りづらくなってきているのが悩みどころです。
「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」
6月に作ったのも左から物語の順序通りに並べてみました。
今窓の外は紫陽花がきれいに咲いています。四季折々の窓の外の景色も作品の一部になるのが、ステンドグラスの面白さだと思います。
「銀河鉄道の夜」をテーマにした作品作りのために物語自体は何度も読んでいて、作品の構想自体はぼんやりと2、3年前からありました。ただ、自分の中でカンパネルラのイメージが割と早くに思い浮かんでいたのに対して、ジョバンニのイメージがなかなか固まらず、ずっとそのままになっていました。私の中でジョバンニのイメージが明確になり、最近作っていたキャンドルホルダーがある程度完結した辺りで以前描いていた絵を引っ張り出し、再度「銀河鉄道の夜」に向き合うことにしました。
そしてなかなか「銀河鉄道の夜」をテーマにできなかった理由として、あまりに有名作品すぎて、既に多くの方が絵にしているがために逆にオリジナルのイメージが浮かびづらかった…ということもあります。ちなみに私の中で銀河鉄道と言うと、ますむらひろしさんの猫のイメージが強烈にあります。子供の頃家にアニメのビデオがあって、何百回(!)見たことか…子供だったので断片的にしか覚えてはいないのですが、ジョバンニが帰宅した際に、お母さんが声だけして姿が全く見えなかったり、牛乳屋さんへ行くシーンが子供心に怖かった記憶があります。最近改めてDVDを見直して色々納得
まずは、先にイメージの固まっていたカンパネルラから作り始めました。ジョバンニが汽車の中で、カンパネルラに会うシーンです。
「すぐ前の席に、ぬれたように真っ黒な上着を着た、せいの高い子供が、窓から頭を出して外を見ているのに気が付きました。」
「みんなはねずいぶん走ったけれども遅れてしまったよ。ザネリもね、ずいぶん走ったけれども追いつかなかった。」
↑この2枚が、6月に出来上がったもの。初めての試みですが、ティファニー作品のように人物にのみ絵付けを施し、背景はガラスのテクスチャーで表現することにしました。7年ほど前、ステンドグラスをしていた方の遺品整理でガラスを沢山頂いたのですが、自分が普段使うものとは違ったタイプのガラスが多くてなかなか使う機会がなかったのですが、今回それらが一気に日の目を見ることになりました。まず、青と緑の混じった分厚いガラスが宇宙空間として大活躍。黒に見えるガラスは実は茶色です。思ったよりも強い色のガラスでしたが、逆に夜の車内の雰囲気が出て良かったかも。
前後しますが、次に作ったのは物語冒頭部分の「午後の授業」。ジョバンニの髪は茶色いアンティークガラスで適当なものがないので、帽子と同じオレンジのガラスの裏からトンシェールという茶色い顔料を入れてみたんですが、予想以上にオレンジっぽさが消えて自然な感じに仕上がりました。
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
そして、白鳥の停車場で途中下車して、水晶の河原に来たところ。先の天の川の白い流れの入ったガラスと、水色のボコボコしたガラスは、やはり昔ステンドグラスをされていたという方が最近送ってくださったものです。人からガラスをもらうと自分の作品の幅が広がって良いかもしれない…。絵付け部分には手持ちのアンティークガラスを使っていますが、だんだん手に入りづらくなってきているのが悩みどころです。
「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」
6月に作ったのも左から物語の順序通りに並べてみました。
今窓の外は紫陽花がきれいに咲いています。四季折々の窓の外の景色も作品の一部になるのが、ステンドグラスの面白さだと思います。