Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

舟越保武―まなざしの向こうに―

2014-12-14 13:18:45 | 日記
アドヴェント第1週は非常に忙しい週でしたが、無理矢理時間を捻出して12/2(火)、雪の中を岩手県立美術館に舟越保武展を見に行ってきました。舟越保武は岩手県二戸生まれ、カトリック信者の彫刻家で、「長崎26殉教者記念像」や秋田県田沢湖の「たつこ像」などが有名です。

展示数は彫刻作品が約60点のほか、初公開を含むドローイング作品も。舟越さんの作品は今までもあちこちで見ましたが、これだけまとめて見るのは初めてでした。岩手日報にも何度か掲載されていましたが予想以上の見ごたえでした。

私が特に印象に残った作品、1つ目は「一馬と水仙」というパステル画。舟越さんのご長男が肺炎のため生まれて8ヶ月で亡くなってしまった時、いとこの家から水仙の花を沢山もらってきて棺を飾り、その死顔を描いたものです。舟越さんはこのことをきっかけに、ご家族でカトリックの洗礼を受けたそうですが、絵に描かれた子どもの手にもロザリオが握られているのが印象的でした。もしかしたら天国での我が子の幸せを願ったのかもしれません。「子供の死顔を描いて喜ぶ親がどこにあるか」とエッセイで記しつつも、写真が一般的でなかった時代、絵で我が子の生きた証を残してやること、それこそが芸術家であった舟越さんの、我が子への最大の愛情の表し方であったようにも思いました。画面に涙が落ちないように、用心深く涙をぬぐったとの言葉に、本当に目頭が熱くなりました。

2つ目は「原の城」。島原の乱で虐殺されたキリシタン農民の像です。眼が空洞になっていたり亡霊のようで夢にも出てきそうな恐ろしさなのですが、どうしても目を反らすことができませんでした。勿論教義的にはクリスチャンはこの世に未練を残して化けて出たりなんかしないのかもしれませんが、舟越さんの作品で二十六聖人像を光とするなら、この作品には二十六聖人像で描ききれなかった影の部分、殉教をさせた者たちに対する怒りややるせなさ、心の痛みといったものが凝縮されているような気がしました。人の心の自由が奪われ、支配されることがもう決してないようにと、私たちは願わなくてはならないと思いました。

3つ目は「聖ベロニカ」。脳梗塞で右半身の自由を失う前の最後の作品だそうです。他の作品を観終わって、ふと斜め方向から目をやったときに、まさに息を切らせて走り寄っているかのようなベロニカの姿を認め、はっとしました。十字架を背負ってゴルゴダへ向かうイエスに自らのベールを差し出したベロニカの話は聖書に記述はありませんが、カトリックでは「十字架の道行」の中にも取り入れられ、大切にされています。兵士たちとののしり叫ぶ群衆の中で、その空気を破るようにして犯罪者に駆け寄れば、下手をすれば自分の命すら危うくなるであろうことは想像に難くありません。しかし、その時ベロニカの心の中にあったのは、ただただ目の前の誰かの痛みを自分の痛みとして受け止め、その人に心からの愛を示したいという思い。それが彼女を非常に勇気ある行動に走らせたのだと思います。その出来事が本当にあったかなかったか、聖書に書いてあるかどうかを超えて、人々がこの物語を大切なものとして語り伝えてきたのは、きっと誰かに自分の愛を、真心を示したいという思いが本来どんな人にもあるからなのかもしれません。



帰りに図録もしっかり買ってしまいました今後郡山市立美術館、練馬区立美術館でも順次開催されるようです。
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産業博覧会、終了

2014-12-02 13:33:44 | 日記
11/29・30と花巻市総合体育館にて行われた産業博覧会、わざわざお越し頂いた友人知人の皆様、教会の皆様、そして作品を買ってくださった皆様、本当にありがとうございました!!



初日朝、準備中の会場(カメラを忘れてガラケーで撮ったので大きさがヘンです、スミマセン)。食べ物、手作り、ワークショップなどなど、入った瞬間一気にテンション上がり、わくわくしてきました

うちのブースはこんな感じ。オーナメント、キャンドルホルダー、アクセサリー類などなど…。出展者もお客さんも若い層が多かったためか、珍しくピアスがよく売れました(教会のバザーとかだとほとんど売れないのですが





逆に意外と苦戦したのがオーナメント。ディスプレイの仕方にも問題があったかなと思いますが(自然光が当たる状態でいっぱい吊り下げ可能なモノ、探してます)、そもそも「うち、ツリーないから…」というお客さんも意外と多かったんですよね例えばうちの妹などは車のミラー部分に下げてますし、お値段は高くなっちゃうけどヒモを皮紐にするとか…??

 今までは教会関係のイベント事での販売が主で、今回一般のイベントへの出店は初めてでしたが、初めてのお客様との出会いが多々与えられ感謝でした。ステンドグラスはどうしてもお値段がそれなりにするので、「かわいい」「すごい」→「お金出して買う」までのハードルがホントに高いなと毎回痛感しますが、しかし、この金額を払ってでも欲しい、という人の手にこそ自分の作品が渡ってくれるのならばそれが本望でもあるわけで、これからもできるだけ良いものを出し続けていきたいなと願っています。

そして最近「地方再生」なんてことが言われてますが、この2日間を通して、花巻の底力を見た思いがしました。外から来るものに依存せず、自分たちの持てるもので街を活性化させてゆくことの大切さを、最近特に感じています。

皆様2日間どうもありがとうございましたどうか良きクリスマスをお迎えください~
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花巻市民クリスマスのお知らせ

2014-12-01 18:02:54 | お知らせ
ついに今日から12月、毎年恒例ながらカウントダウンの始まりです(笑)

ブログのテンプレート変更しました。赤系が好きなワタクシが珍しく、今年はブルーをチョイス


今年のアドヴェントは11/30から。直前の28日、教会でリース作りを行いました

ちなみにこ~っそり(笑)wikiで確認したところ、アドヴェントは「11月30日の「聖アンデレの日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。」そうです。今年はちょうど30日が日曜だったわけですねそうだ、1日過ぎちゃったけどうちもアドヴェントカレンダーを出さなくては

リース作りは毎年、教会墓地に植わっているもみの木を切って来るところから始まります。大きいものは片方が押さえ、片方が巻き付けで2人がかりです。今年は銀色の松ぼっくりが入り、より華やかに仕上がりました



外看板にもリース。こちらは金のラッカーで着色した貝殻を使いました。取付中に、犬の散歩中のご近所さんに遭遇、お褒めの言葉を頂く



何と今年のクリスマスは、初!花巻市内の6つの教会が協力し、花巻市民クリスマスを開催致します(看板右側のポスターです)。

第1回 花巻市民クリスマス

2014 12/13(土)於)日本基督教団花巻教会(花巻市仲町 http://hanamaki-christ-church.jp/)

開場15:30~ ※ミニバザーあり!クリスマスグッズほか、ステンドグラスも出します!! 

第一部 礼拝 16:30~17:30

第二部 お楽しみ会 17:45~18:45 ゴスペルソングや楽器演奏、コーラス、クイズなどなど。お茶とお菓子あり

「花巻市民クリスマス」という名称ですが、勿論花巻市民でなくても参加OK!

そして24日19時からも、毎年恒例のイブ礼拝(キャンドルサービスあり!)があります。皆さんとクリスマスをお祝いできることを楽しみにしています
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