Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

『十力の金剛石』より「はちすずめ」「雨」

2022-03-16 10:26:17 | パネル
「誰だ、今歌ったものは、ここへ出ろ。」
するとおどろいたことは、王子たちの青い大きな帽子に飾ってあった二羽の青びかりの蜂雀が、ブルルルブルッと飛んで、二人の前に降りました。そして声をそろえて云いました。
「はい。何かご用でございますか。」

(宮沢賢治『十力の金剛石)





シリーズ『十力の金剛石』2枚目「はちすずめ」。1月下旬に完成しました。不透明な焦げ茶のガラスを使って真っ暗な森の中をイメージしました。同じ構図の作品は去年も作ったけど、新たに絵を描き直したので前より良い表情になったような気がします。はちすずめのパーツが小さくて絵付けが大変だった

 

にわかにあたりがあかるくなりました。
今までポシャポシャやっていた雨が急に大粒になってざあざあと降って来たのです。(中略)
ところが二人は全くおどろいてしまいました。あられと思ったのはみんなダイアモンドやトパァスやサファイアだったのです。おお、その雨がどんなにきらびやかなまぶしいものだったでしょう。

(宮沢賢治『十力の金剛石』)

3枚目「雨」。2月の下旬に完成しました。背景の白いガラスはイリデッセントという玉虫色に輝くガラスです。雨のような流れが入っています。

人物の絵付けは早めに終わっていたのですが、背景を作るのに結構時間がかかってしまいました。自宅の電気炉で作った大小様々のナギットを宝石に見立てたのですが、ガラスにナギットを埋め込むための穴を空けるのがまず大変。ナギットに合わせて穴の大きさを調整するのに結構時間がかかりました。さらに削り終えた所で今度は小さくて極端な窪みにテープを巻くのが至難の業、その途中でガラスが1枚割れたり…結局巻かずにどうにかする方法を思いついて完成。大変だったけれど新しい試みが出来たのは良かったと思います。



今まで作ったものを時系列で並べてみました。完成まであと1枚。

コメント
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