師匠「でね、昔読んだ本に、世の中のある人達はまちがった道を
たどる。なぜなら、彼らには、正しい道はないのだからー。
って、一文があった。出典は忘れたけれど、この頃の自分は
なんとなく、わかるような気がしていた。
彼らは世間から見て、正しいとか、まちがっているなんてことは
考えないんだ。
自分には、この道しかないと思い込んでいる。それ以外を
知らないし、知ろうとも思わないんだ。
だから、何度も道をまちがえる。同じことを繰り返す。
なぜ?と問わないから、ぐるぐると毎年毎年、同じようなことを
同じ時期に繰り返し、し続けている。
そして、一生を終える。それしか知りえなかったから、それ以上も
以下もないわけだ。
ここで、学ぶべきことはない。強いていえば、休息。
けれども、魂のあらたな集合には、どのようなものも、
もたらさない。
再生された魂には、その生のかけらは、なにをあたえるのか。
何もない。
成長の大きな円環の休息。
本質体への集合体と化すのは、まだずっと、先のことなのだ。
だそうだよ。」
臣 「でも、正しい、間違っているはないのですよね。」
師匠「大局においてはね。
ただ、本人にとって、苦しいと思うようなことは、わかっている
なら、避けた方が賢明だ。なにも、わざわざ、苦しい道へ行く
ことはないと、ボクは思いますよ。
少し、自分を守ることを意識すれば、ね。」
臣 「自分を守ることを優先する。」
師匠「そう。成功哲学にしろ、自己実現にしろ、およそ、あらゆる指南
書は、自己をよりよく生かすための智慧だ。方法だ。
同じように、自己を守ると決め、それ以外の道はまた、この人達
も選ばない。自己を守るだけの道しか、彼らには存在しない。
これらの結果も、同じようなことなのにたどる網目は
天国と地獄に同じものが置いてある話のようだね。
同じ道具なのに、
天国では、互いにわけあうものとなり、
地獄では、互いに奪い合う道具となる。
使い方で、自分を守るよい結果、自分を守らないよくない結果
を産むのさ。」
臣 「それも、自身の結果に過ぎないのですね。」
師匠「そう。どれを選ぶかも、自分が決めている。キミが観てきた
名前の数字に刻まれたその数字のなかの世界に生きるか、
それ以上よい生き方へ進むか。または、それよりも災禍を
招く数字のまま生きるか。姓名の数字は設計図、計画図。
よくできていると、思うよ。」