『駕籠に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋を作る人』
何かの本に載っていたことばなのだが、それを聞いた瞬間、
「私は、草鞋を編もう。」
と、決心されたそうだ。それも、随分若いうちに。
そして、40年近くたった今でも、草鞋を編み続けている。
誰かのために、お手伝いをし続けている。
今では、若手におまかせしてもいい年齢だと思うのだが、
そうご自身が決め、もうご本人は忘れているのかもしれない。
なにかあれば、先頭に立ってひとのお世話をしている。
基本、お世話をすることが好きなのだ。
もうすぐ、退職だそうだが、退職をされても、社会と関わり続ける。
いや、就職する以前の主婦の時から、社会と深く関わっていた。
そんなS先生だからこそ、教わることは多い。
自分を大事にし、周囲を大事にしていれば、まわりまわって、
自然と自分を大事にできる智慧が授かる。
そういう、智慧を持たれているからこそ、誰かのために
お役にたてる。
そうして、ひとはつながっていくのだ。
つながっているから、助けられ、助け合える。
つながりなどということばに限定されない見えない力の
本質とは、案外こういう簡単なものなのだ。