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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

鶴見台のタンチョウ - 北海道 (4)

2019-03-01 09:03:07 | 小旅行

タンチョウ(丹頂)は ツル目ツル科。 日本の野鳥の中では最大級で、全長は 140cm。

大陸のタンチョウは渡りをし、冬は朝鮮半島や中国南部に移動しますが、現在の日本のタンチョウは渡りをしません。しかし、江戸時代までは、繁殖しているもののほかに、各地に冬鳥として渡来するものが多かったといわれています。





夏期は湿原に分散して営巣・育雛を行い、湖面の凍結する冬は 里近くへ移動し群れで生活をします。

タンチョウの二大給餌場の一つとして知られる、釧路から車で30分の(阿寒郡)鶴居村の鶴見台には、毎年11月頃から3月頃まで約200羽前後のタンチョウが餌を求めにやってきます。





タンチョウは漢字で「丹頂」と書きます。「丹」は赤い、「頂」はてっぺんという意味で、頭のてっぺんが赤いためこの名前が付きました。頭の赤いところには羽がなく、ニワトリのとさかのようになっています。

鑑札を足首に付けているタンチョウがいます(中央)。ボランティアが生態系を調べるために、巣で生まれて直ぐのときに付けたものです。





江戸時代までは北海道各地にたくさんいたようで、関東地方でも見られたようです。しかし明治時代になると乱獲され、さらに生息地である湿原の開発により激減してしまいました。そして全く見られなくなったため、大正時代には絶滅したと思われていました。

しかし大正時代末期の1924年に、釧路湿原で十数羽が再発見されました。





1952年には特別天然記念物に指定され、国や自治体による保護施策が講じられるようになりました。当初は、ドジョウの放流やセリなどの植物の移植などが行われましたが、なかなか数が増えませんでした。

1950年頃の猛吹雪の日、数羽のタンチョウが畑に置かれた冬の保存用トウモロコシを食べにきました。これをきっかけに給餌がうまくいき、各地で給餌活動が行われるようになったことで現在は千羽を超えるまで数が回復しています。





冬の給餌を行わないと生息数は10分の1にまで減るといわれています。
農産物被害も出ているのですが、村の人は タンチョウとの共生を考えているそうです。





冬の給餌のほかに、電線との衝突、交通事故も問題になっています。

バスで走っていると 電線に 黄色のガードがついていることがありますが、これはタンチョウに 電線を知らせるためです。





手持ち望遠のため ブレブレですが、Vの字になって飛行する タンチョウたち。

(コメントを書くために参考にした記事はたくさんあり、再編集してるため出典は載せませんが、感謝してますm(_ _)m)