アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

タチアオイ - アオイ科のシベ2

2022-06-10 06:00:01 | みんなの花図鑑
タチアオイ

アオイ科のシベ、ふたつめは タチアオイです。


<おしべ活動期>

第1回のゼニアオイと同じで、おしべとめしべの活動期に時間的ずれがあります。
始めは <おしべ活動期>です。




ものすごくたくさんの雄しべが花糸を合着させひとつの幹をつくっています。
花糸の先だけ幹から枝分かれして 葯をつけています。




でもこの雄しべの幹のような部分は ウツギのように幹の中は中空なのです。
それでこの幹を 「雄しべ筒」と呼んでいます。




<雄しべ筒の中から雌しべが顔を出す>

雄しべの葯から花粉が放出され、花糸がしなだれるころになると、雄しべ筒の中心から雌しべが顔を出してきます。








雄しべ筒に守られ伸びているので、雌しべは曲がることなく高く伸びることができます。







めしべの先は柱頭でこれが放射状に開くと 上向きになった側が受粉体制に入ります。




<雌しべ活動期>

雌しべの柱頭は上を向いて他の株からの花粉がつくのを待ちます。



でも、そう簡単に花粉は運ばれてきません。




一日待っても花粉が付かないと見るや、めしべは柱頭を下に向けてカールさせ始めます。




この花は 雌しべの柱頭の先に 数の子みたいな花粉が付いていますが、たぶんこれは 同じ花の下に出ていた花粉です。













これなど自家受粉の真っ最中です。








こちらは 自家受粉しようにも雄しべの葯はもう花粉を放出し終わっています。




こちらは 花粉がまだ生きているようです。



まとめると・・・
めしべはできれば自家受粉は避けたいので、初めの数日は虫が媒介してくれるのを待ちますが、雌性期の最後には、念のために自分の花粉で受精しようとするのです。