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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

テンニンギク属ガイラルディア - キク科のシベ 3

2023-07-25 16:00:00 | みんなの花図鑑

これまで和名で「テンニンギク」として取り上げてきましたが、西尾市憩の農園で見たラベルに「ガイラルディア テンニンギク属」とあったので、こちらで呼びます。
和名では、オオテンニンギク(大天人菊)が多年草タイプで、テンニンギク(天人菊)と呼ばれているのが一年草タイプのガイラルディアのことらしいです。




また、オオテンニンギクとテンニンギクの交配種は「グランディフロラ」という名前で流通することがあるということです。




ガイラルディア(テンニンギク)は花弁が黄色とオレンジの複色が特徴ですが、今私たちの関心は中央のシベにあります。




その部分を拡大してみました。
ささくれ立った褐色の花冠の中から花粉を身にまとった雌しべが伸びています。この花の時期は<花粉放出期>のようです。




この花では、花粉放出期の小花の周囲に赤紫の2つに割れた花柱が見られます。
つぎの<雌しべ活動期>に入っているものと思われます。




これもテンニンギク?

上から観察してみます。
キク科ですから、花弁一枚一枚が舌状花と呼ばれる花です。
中央の盛り上がりは 筒状花の集団です。
筒状花は外周部から中央に向かって順に咲いていきます。




中心がまだつぼみの筒状花。
その周囲がめしべ棒が おしべ筒の花粉を押し上げた状態。
一番外側の(舌状花の花弁に近いほう)が めしべ(柱頭)活動期の花です。



このように、キク科の筒状花のめしべは<花粉活動期>には雄しべ筒のなかから花粉を外に押し出す役目をして、その後、花柱の先を2つに割ってその内側に柱頭(花粉受粉器官)を形成します。
めしべの先にところどころ黄色い花粉が付いていますが、めしべ棒の外側で、内側の柱頭部には付いていません。




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