アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヒガンバナ - 二子古墳にて

2020-10-06 10:28:36 | みんなの花図鑑
絵は ヒガンバナ ですが、古墳のことを話題にします。


午後の散歩の途中で 陽の日差しを浴びて炎のように燃える曼珠沙華を撮っていたら、二子古墳に来てしまいました。二子古墳は桜井町(愛知県安城市)にある4世紀の前方後円墳の古墳です。




ヒガンバナはよく墓地や水田の畦に植えてありますが、ヒガンバナの球根は有毒で、野ネズミやモグラの侵入を防ぐために意図的に植えられたといわれています。




昔、土葬が一般的なとき、お墓に埋められたご遺体をモグラやネズミに荒らされないように周囲に彼岸花を埋めたとも言われます。




前方後円墳は 巨大なお墓です。葬られる大王は もちろん土葬されたわけです。(はじめて火葬されたのは 前方後円墳の時代の後の 持統天皇です)




実は、私の家のすぐ近くにも 二子古墳と同時代の前方後円墳がありますが、景行天皇の皇子のひとり五十狭城入彦皇子(いさきいりひこのみこ;ヤマトタケルの異母兄弟)の墓と治定されていて、今は宮内庁が管理していて中に入れません(子供のころは 石柵をすり抜けて中に入って椎の実を拾ったりしましたけど)が、ほとんど雑木林状態です。




二子古墳や自宅近くの前方後円墳はいずれも 矢作川の氾濫原(沖積平野)よりもちょっと標高の高い安城台地(洪積台地)の端にあります。古墳が造営された当時、ひとびとは洪積台地のへりに住んでいて下の沖積平野に降りて行って泳ぐようにして稲を作っていたということからもうなずけます。(水田=沖積平野の中の砂州のようなところに移り住みだしたのは そのあとの時代)




先ほどもちょっと触れましたが、私たち日本人は 古墳が木々で覆われていることに何の違和感も感じません。同じ桜井、といっても奈良県桜井市の纏向遺跡の箸墓古墳も同じですが、雑木林になってます。以前は近所の人たちが定期的に木を切って薪を作っていたと言います。山だから木が生えていて何の不思議があろうか?
いえ、古墳はお墓で お山ではありません。そのことに気づかされたのは、以前、韓国の慶州(きょんじゅ)に行ったときでした。そこの古墳は 樹など生えてなく、芝生で覆われていたのです。
韓国のひとは 日本の林と化した古墳を見て「日本人は自分たちの遺産を守らない民族なのか?」といぶかしがると言います。木の根が伸びると 石室や墓そのものを破壊するからです。




林になってしまうことが問題なことが見直されて、最近は(といってもだいぶ前からでしょうが)日本の古墳も 造営された当時の姿で復旧される(あるいは再建される)ことが多くなりました。私は 古墳おたくではないので古墳巡りはしてないのですが、神戸六甲に行ったとき、ついでに訪れた五色塚古墳(神戸市垂水区五色山)に上がって いたく感動しました (^^)/

宮内庁も早くこのことに気づいて お墓を守ってほしいと思います。前方後円墳の前方部で祭礼ができるよう、お墓を傷つけないよう、有害な木を取り除いて建立当初の状態を保守してください。




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