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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (71) シナノキ、菩提樹

2021-06-26 18:17:30 | みんなの花図鑑
今回は、菩提樹を含むシナノキ科の樹の花を集めてみました。といっても、ちょっと出遅れて花の時期を過ぎ、果実になっていたものもあります。


シナノキ (愛知県緑化センターにて)

本館の東側にあります。背が高いです。望遠で覗いてみると、ほとんど花は終わって果実が生っています。



シナノキは 学名を Tilia japonica といい、日本の特産種です。
長野県の古名『信濃』は古くは『科野』と書かれていましたが、シナノキを多く産出したからだと言われています。



あとに出てくる ナツボダイジュや ボダイジュと、時に区別がつかなくなります。



シナノキの花は雄しべが花弁より長く飛び出しているが、
ボダイジュは雄しべが花弁より短いという特長があるそうです。



葉で区別するときは
「シナノキの葉表は濃黄緑色で光沢はない 
葉の裏は白緑色で脈腋には茶褐色の毛が密生する(他の部分は無毛)」(出典不明-閉鎖したYahooブログより)



シナノキか? (安城デンパークにて)

それで、2日後に、安城デンパークにいって観察してみることにしました。安城デンパークには シナノキ科の樹があちこちに何本か植わっているのですが、どういうわけか、樹名板がありません。



先ほど見たように
「シナノキの花は雄しべが花弁より長く飛び出しているが、
ボダイジュは雄しべが花弁より短い」
ということですが、花はもう時期を過ぎて おしべが落ちてしまっています。



子房が果実になっています。



「シナノキの葉表は濃黄緑色で光沢はない」ということでしたから、これは 合ってます。



「葉の裏は白緑色で脈腋には茶褐色の毛が密生する」ということですが、こちらは よく分からないですね




ナツボダイジュ (愛知県緑化センターにて)

愛知県緑化センターで シナノキと同じ日に撮影したものです。
木はやはり背が高いです。
でも、一番下の枝はやっと手が届く位置にあったので、捕まえて引き寄せ花を撮影しています。



先ほど シナノキと 菩提樹の花の違いについて
「シナノキの花は雄しべが花弁より長く飛び出しているが、
ボダイジュは雄しべが花弁より短いという特長がある」
と知りました。では このナツボダイジュは?
雄しべは短いから ボダイジュに近いことが分かります。



葉です。



樹名板です(^^)/




ボダイジュ (行福寺(豊田市)にて)

しだれ桜で有名な行福寺です。奥の院前に 「菩提樹」の立て看板を付したこの木があります。
でも、遅かった! 果実ばかりでした。



学名はTilia miquelianaで、シナノキ科シナノキ属で、中国原産です。
「釈迦が菩提樹の下で悟りを開いたといわれ、寺院によく植えられている。悟りを開いたのはクワ科イチジク属のインドボダイジュであり、ボダイジュとは異なる。」(三河植物観察「ボダイジュ」)
だから、中国菩提樹といったほうが分かりやすいかも。



ボダイジュだけでなくシナノキ科の花(や果実)は ヘラのような形をした 苞葉 から果柄を出して花(と果実)をつけます。









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