先日、小学館の「小学五年生」「小学六年生」の休刊を話題にしましたが、ついに子供時代に私の愛読書だった学研の「科学」も休刊に追い込まれたと、昨日の夕刊が報じていました。
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自分の母校が廃校にでもなったような、淋しい気持ちになります。
しかし、少子高齢化が進み人口減少が現実のものとなり、加えて経済のグローバル化が進展する中、様々な従来型ビジネス・モデルが成り立たなくなっていくのは止むを得ませんね…。
私の勤務する銀行の調査部門が作成した130ページ前後の英文の経済レポートが、昨日イントラネットで世界各国の幹部行員向けに配信されました。
日本経済に関するページを開けると、目に飛び込んできたのが”At the edge of the fiscal abyss” というヘッドライン。.
すなわち、公共部門の債務が膨れ上がり「財政面で断崖絶壁の淵に立つ」ということです。
財政以外でも、過剰設備、デフレ、少子化、米国と東アジア各国との関係構築など、民主党政権が抱える様々な課題にもきちんと言及していました。
これからの5年から10年間が、日本という国が衰退の坂道を転がり落ちるのか、あるいは再び成長のトレンドに乗ることが出来るのか決める、極めて重要な局面となるでしょう。
ありていに言えば、冨の多くが集中している年配の世代の多くは「根本的な変革をしなくても、今までの蓄積を食い潰して行っても、何とか生涯をまっとう出来そうだ」と本音の部分で考えている一方、「僕らの世代はそんな余裕のある将来像を全く描くことが出来ない」「僕らの稼いだお金は、引退者世代の社会保障に費消されてしまう」と、若い世代には閉塞間が強まるばかりです。
民主党政権が、あるい下野した自民党が、政策を選択する際に果たしてどちらの世代の声に耳を傾けるのか。
中央官庁、地方公共団体、産業界、そして世代間にも存在する既得権益を、どうやって剥ぎ取って、若者たちに機会と希望を持ってもらう社会を再構築するか。
そして中国やインドなどで台頭する強力な競合者たちと伍していく気概と逞しさを、どうやって“ゆとり教育世代”の若者たちに身に付けてもらうのか。
表層的な対策、耳障りの良い激励などでは到底解決できない深刻な現状を打開する大きな鍵は、このあたりにあるのではないかと私は考えています。
さて、心配していた週末の天気予報は、何とか大丈夫そうですね。
良いコンディションのもとで、伝統の一戦に相応しい早明戦が戦われることを期待いたします。