先日(1/21 土曜日)、「NHK スッペシャル シリーズ 日本再生」という番組を見た。だいたいにおいて、NHKの番組には質的にろくなものはないと体験しているので、期待はあまりなかったのだが…。
今回は「生み出せ!“危機の時代”のリーダー」というタイトルに惹かれて、2時間45分もの番組を通しで見た。
ディスカッションの司会は三宅民夫アナウンサー。
出席者は、ゲストとして多摩大学大学院教授…田坂広志, 元内閣官房長官…野中広務, 東京大学大学院教授…姜尚中, 放送プロデューサー…デーブ・スペクター, 元経済産業省官僚…古賀茂明, 京都大学准教授…瀧本哲史, ナガオカ社長…三村等, 弁護士…土井香苗, 社会学者…古市憲寿, アレックスCEO…辻野晃一郎, 台湾AUO技術者…松枝洋二郎, ノンフィクション作家…河添恵子, フィンランド語通訳・翻訳家…坂根シルック, ジャーナリスト…三神万里子などと、東日本大震災被災したNPOなどの代表の方たち。総勢50名くらい。
こんな大勢の人が議論するには、そこには、ちゃんとした司会者のリーダーシップが必要だ。
しかし、三宅さんの司会は全く機能しなかった。
問題は、三宅さんだけではなく、番組のプロデューサーの質が問題のかもしれない。先にシナリオを書いておいて、そのシナリオに沿って番組を進めたからかもしれない。
この番組は結果として、この時間と資質のある人たちの出席にもかかわらず、何らの提言も、共通理解も、共同意識も持てないまま終わってしまった。
率直に言うと、後に何も残らなかったわけだ。
なぜこんな番組がまかり通るのか??
視聴者からの金で経営されている国営放送としては、無駄な金と資源を使ったとしか思えない。
何故か?
最初に、ここで議論する“リーダー”の定義が全くされなかったことだ。冒頭に、スティーブ・ジョブスを偉大なるリーダーと紹介したにとどまった。
“リーダー”を共通理解、もしくは定義しないで、議論は始まったから、広範囲に話が飛んでいく。しかし三宅さんはそれを制御できない。言いっ放し、ききっ放しになる。
話が別の発言に飛んで、発言者の意図が確認されないまま、進んでいく。
従来から、リーダーシップの議論にはいくつも先駆者が理論や、ペーパーや、実験が存在している。
たとえば、リーダーの属人性であるとか、シチュエーション理論だとか、日本のPM理論だとか…。
社会心理学も、OD(オーガニゼーション・ディベロップメント)理論も、このテーマを研究して、あるレベルの成果を上げている。
しかし、NHKは、もしくは司会者の三宅さんは、こうした勉強をしているとは思えない、議論の仕方だった。
司会者は、各々の発言を全体の議論の中で「位置づけ」ていくのが必要なのだけれど、三宅さんにはそれができない。議論が有機的に結びつけれないまま、散らかされてしまう。
これは、会議の司会者としての必要なリーダーシップの欠如に他ならないと考えるけれど、皆さんはどうだろう?
その証左として、彼の発言で、これはダメだと思った一説がある。
「リーダーシップには同時に、フォロワーシップが必要なのですか?」と発言者に訊いたのだ。
そんなのは、リーダーシップを語る基礎の基礎だ。リーダーシップを語るにしてはあまりにも無知だなと思った。
ここで、あぁだめだなと思ってしまった。
リーダーシップに対する予習をしたのだろうか?勉強したのだろうか?発言者の真意をくみ取れたのだろうか?というような????が連続して頭に浮かんだ。
三宅さんは、前に他の公開討論番組「しゃべり場(?)」の司会をしていて、同じ感じを持ったのを思い出した。
この人には、想定外の発言に対する対処の仕方が身についていない。全く失格だ。
NHKには、他にシチュエーションに応じて、議論を深めることのできる人はいないのだろうか?
P.S.
このブログのアップをNHKにも知らせてあります。
今回は「生み出せ!“危機の時代”のリーダー」というタイトルに惹かれて、2時間45分もの番組を通しで見た。
ディスカッションの司会は三宅民夫アナウンサー。
出席者は、ゲストとして多摩大学大学院教授…田坂広志, 元内閣官房長官…野中広務, 東京大学大学院教授…姜尚中, 放送プロデューサー…デーブ・スペクター, 元経済産業省官僚…古賀茂明, 京都大学准教授…瀧本哲史, ナガオカ社長…三村等, 弁護士…土井香苗, 社会学者…古市憲寿, アレックスCEO…辻野晃一郎, 台湾AUO技術者…松枝洋二郎, ノンフィクション作家…河添恵子, フィンランド語通訳・翻訳家…坂根シルック, ジャーナリスト…三神万里子などと、東日本大震災被災したNPOなどの代表の方たち。総勢50名くらい。
こんな大勢の人が議論するには、そこには、ちゃんとした司会者のリーダーシップが必要だ。
しかし、三宅さんの司会は全く機能しなかった。
問題は、三宅さんだけではなく、番組のプロデューサーの質が問題のかもしれない。先にシナリオを書いておいて、そのシナリオに沿って番組を進めたからかもしれない。
この番組は結果として、この時間と資質のある人たちの出席にもかかわらず、何らの提言も、共通理解も、共同意識も持てないまま終わってしまった。
率直に言うと、後に何も残らなかったわけだ。
なぜこんな番組がまかり通るのか??
視聴者からの金で経営されている国営放送としては、無駄な金と資源を使ったとしか思えない。
何故か?
最初に、ここで議論する“リーダー”の定義が全くされなかったことだ。冒頭に、スティーブ・ジョブスを偉大なるリーダーと紹介したにとどまった。
“リーダー”を共通理解、もしくは定義しないで、議論は始まったから、広範囲に話が飛んでいく。しかし三宅さんはそれを制御できない。言いっ放し、ききっ放しになる。
話が別の発言に飛んで、発言者の意図が確認されないまま、進んでいく。
従来から、リーダーシップの議論にはいくつも先駆者が理論や、ペーパーや、実験が存在している。
たとえば、リーダーの属人性であるとか、シチュエーション理論だとか、日本のPM理論だとか…。
社会心理学も、OD(オーガニゼーション・ディベロップメント)理論も、このテーマを研究して、あるレベルの成果を上げている。
しかし、NHKは、もしくは司会者の三宅さんは、こうした勉強をしているとは思えない、議論の仕方だった。
司会者は、各々の発言を全体の議論の中で「位置づけ」ていくのが必要なのだけれど、三宅さんにはそれができない。議論が有機的に結びつけれないまま、散らかされてしまう。
これは、会議の司会者としての必要なリーダーシップの欠如に他ならないと考えるけれど、皆さんはどうだろう?
その証左として、彼の発言で、これはダメだと思った一説がある。
「リーダーシップには同時に、フォロワーシップが必要なのですか?」と発言者に訊いたのだ。
そんなのは、リーダーシップを語る基礎の基礎だ。リーダーシップを語るにしてはあまりにも無知だなと思った。
ここで、あぁだめだなと思ってしまった。
リーダーシップに対する予習をしたのだろうか?勉強したのだろうか?発言者の真意をくみ取れたのだろうか?というような????が連続して頭に浮かんだ。
三宅さんは、前に他の公開討論番組「しゃべり場(?)」の司会をしていて、同じ感じを持ったのを思い出した。
この人には、想定外の発言に対する対処の仕方が身についていない。全く失格だ。
NHKには、他にシチュエーションに応じて、議論を深めることのできる人はいないのだろうか?
P.S.
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