最近、気になることがある。
それは、日本の国、産業に対する世界における格付けが、徐々に低下していることだ。
日本国債の信用度も、日本の成長のための機関車であった輸出産業の花形、製造業の格付けも、大きく揺らいでいることだ。
最近のムーディーズの発表を見ると、日本企業の格下げが続く。
またフェッチによる債務残高の増加からくる、国債の格下げもある。
考えてみれば、リーマンショックと、円高に直接的な要因は求めれるかもしれないが、最近の日本企業の悪いニュースばかりで、国際的な信用度が、韓国のイ大統領に指摘されるまでのなく、劣化の一途だ。
たとえば、
パナソニック、ソニー、東芝、NEC、富士通、シャープ、ルネサス
と、たて続けに、日本の花形であった電器が軒並み完敗。
その他、鉄鋼とか海運もキャッシュフローの危険度から、格下げの方向に傾いているようだ。
自動車も、危ない橋を渡っている始末。
根底には、製造業で世界を相手にメシを食っていける時代は終わったと言える。
誰か一人の発明に、よって、たかって、品質や付加価値をつけ、たくさんの従業員を抱え、安く大量に製造し、輸出して金を儲けるというモデルが機能しないということだろう。
昔はこれで良かった。しかし、こうしたモデルは、コストの安い東南アジアに完全に持って行かれてしまった。
将来の、新しい日本の産業構造を考える時なのだと思う。
特に、輸出産業の製造業をどう、新しい付加価値のある産業に転換していくかということが大切だと思う。
アップルのステーブジョブスのような、今までは無かった、真新しいのものを作ることでしか製造業は生き延びては行けない。
一方、政府は下記のような、作文を作っているだけで、ほんとに日本がどうやって飯を食っていくかという、これからの特化した分野を定義はしていない。
「新成長戦略」 2012年6月
強みを活かす成長分野
1.環境・エネルギー大国
2.ライフ・イノベーションによる健康大国
3.観光立国・地域活性化戦略
4.アジア経済戦略
5.科学・技術・情報通信立国戦略
6.雇用・人材戦略
このままでは、日本という国は衰退の道をたどり、二度と世界の一流国に返り咲くことはできないのではないかと危惧する昨今だ。
若い人に考えてもらうことしかできないのでは…。
若い人の創造力、アイデアをくみ取って、差別化した製品をどうやって作り出していくかが、日本の製造業の大きな課題だ。