今回の福島沖を震源とする地震で、日本人の大部分が忘れていた、もしくは恣意的に忘れようとしていた問題に光が当たった。
福島第一原発事故の後遺症の底なしの深みだ。政府は、安倍さんは国際舞台で、「アンダー・コントロールだ」と言い放った福島の現状は、本当にコントロールされているのか。それは全くの事実誤認。問題は解決に向かうことなく、放射能汚染水、放射能汚染ごみ、放置された除染残土のビニール袋は増え続け、仮収納場所さえ決まらないでいる。肝心のデブリの取り出しにも、技術的な問題が次々と現れている。
毎日流れ込む地下水400トン対策の「地下凍結プロジェクト」は、事実上、失敗している。タンクはたまる一方だ。もう5年もたつから、錆が始まっている。
一方、廃炉作業には金がかかるから、東電の問題としては対処できず、国民全体に負担を求めようと躍起だ。安全神話を振りまいた当事者に払ってもらうのが妥当だろう。
さらには、老朽化し原発の再稼働を次々と決定していることも忘れてはならない。これも、だれの責任で決定されているのかも、はっきりしない。
忘れるのが得意な日本人は、時には現実を直視し、東京オリンピック、憲法改正と浮かれているわけにはいかない現実を認識すべきだろう。
下記リンクから、本日付の「毎日」の記事が読めます。参考までに。
http://mainichi.jp/articles/20161124/org/00m/040/006000c