オバマ新大統領の就任演説を、英文で読み通してみた。長い英語への久しぶりにチャレンジだった。
読み終わって、浮き出てきた感情はやはり「羨ましさ」だった。
日本にいて、麻生さんの演説を聞いても、小沢さんの演説を読んでも、小泉さんのスピーチを聞いても、決して現れてこない卓越したパースペクティブ、すなわち視点の高さだった。
そのパースペクティブを感じさせたのは、彼の「自己認識、時代の認識、世界の認識」の言葉そのものだった。
高く宇宙に飛んで地球を眺め、過去を紐解いて歴史を語り、そして、今を見据え、さらに将来へのチャレンジを語る。
こんな高く広い視点での物の見方ができる日本の政治家がはたして、何人居るのだろうかと考えさせられた。
若くて、クールで、そしてエネルギーを感じさせてくれる。こういう選択肢をもたない私たち、日本の政治の偏狭さ、貧困さが浮き出てくる。
そんな政治に身を託している我々が非常に不幸かもしれない。
彼の演説で印象に残ったことをいくつか僕の視点で書き出してみると、こんなことになる。
・自分たちの責任:それは、自分たちすべてのアメリカ人が、自分たちに、国に、世界に義務を負っていると認識すること
・それこそが、アメリカ市民であることの値段であり、約束事
・現状の、将来の困難を希望(hope)と徳(virtue)の精神で乗り越えて行く
・求められるのは、煙の階段を駆け上がる「消防士の勇気」のある行動だ
もちろん、国際協調もでてくるし、モスレムへの呼び掛けもある。
将来を見据えて、市民に迫っていく言葉は心に響く。
ああ、アメリカは心のフロンティアをもっているのだなぁと羨ましい。
方や、日本の政治に目を転じてみると、全く現状認識に欠けた国会流の議論が果て
しなく続くのみ。
日本では、逆に下の方から、流を生み出せないものかと思う。
オバマさんの、評価は最初の3ヶ月で決まるというのがアメリカの政治の常識だそうだ。
麻生さんは、就任して何ヵ月になるんだっけ。もう誰も忘れている。
先ず一つだけでも前進してもらいたい。
「定額給付金」の廃止だ。これならすぐにでもできる。
公明党とに関係なんかにとらわれないで、大切な金、僕たちの税金は大切に使ってほしい