教育基本法が改定となる。
今の教育に乱れは、家庭、学校、社会、本人の資質、政治など複雑な要素の結果である。
そこに対して、法律によって「日本文化と伝統を愛する国民」を教育して作るというのが本当の「解」なのかなと考えてしまう。
NHKや民放の番組作りも、そんな「風」を先取りして、日本の伝統、文化に焦点を当てた番組が増えた。
日曜日の楽しみだった「日曜美術館」は、最近日本物ばかりで、美術の世界に広さを感じさせない。
NHKが考える、日本の伝統と文化だけを選択的に見させても、それが伝統を愛することにつながるとは思えない。
絶対的な価値は宗教(一神教)以外にはなく、価値の高さは相対、もしくは他のものを知る中で生まれると考えるのが普通だ。NHKは、何だか政府の意向を先取りして番組を作っているように思えてくる。
広く、洋の東西を問わず、いろいろな文化のなかで見て、はじめて日本文化の素晴らしさが見えてくると思う。
狭く、日本の中だけでその価値を論じても、押し付けにしかならない。
抽象が誰かに具体化され、それが教育の目的であるとされると画一的で恐ろしい。