ISISによる後藤さん人質事件で、自衛隊の海外派遣について、安倍さんは強力な「その必要性」の理論武装が出来たと思う。人質事件を逆手に取る手法はずるい。シテヤラレタという感じだ。
これで昨年の春、自衛隊の集団的自衛権の議論で、あいまいな表現で世論を抑えることがやっと出来たのが、今や大手を振って、自衛隊の海外派遣を可能にする議論に入れるわけだ。これは改憲に繋がり、日本は軍隊を持つ「普通の国」になる道が開けてきたと言えるだろう。
後藤さんを励ます「I AM KENJI」のキャンペーンは、安倍さんによって上手く利用されるかもしれない。国民には、その意図はなくとも、自衛隊の海外派遣を皮肉にも、後押ししていることになるかもしれない。
すでに、1月29日、安倍さんは衆院予算委員会で、邦人救出のための自衛隊派遣に言及している。もしかすると、昨年の11月に2名の日本人の拘束を知っていて、それを利用しようと考えていたのかもしれない。少し、うがちすぎか。
これで安倍さんの悲願である、祖父、岸信介氏の名誉回復と、歴史を修正し、敗戦をなかったことにしようという安倍さんの目論みの達成が、一歩前進したことになるかもしれない。
メディアはこうしたことをしっかり監視して、国民に伝えてもらいたい。