バカ犬

ちょっとバカ犬になって、本音を言ってみたいと思いませんか?

日本に対するクレディビリティの低下

2013-05-16 | Weblog

一応、毎日、主要な外国メディアを読んでいる。
アメリカであれば、ウオールストリートジャーナル紙、ワシントンポスト紙、
ニューヨークタイムズ紙、フィナンシャルタイムズ紙、CNNの記事。
イギリスでは、BBCニュース。
フランスでは、 AFPニュースなど。

最近、日本に関連する記事が増えてきている。
従来は、福島原発事故と、東日本大震災、尖閣諸島以外は、ほとんど紙面には現れなかった。
しかし最近は、安倍さんになってから、着目記事が増えた。
それはそれでいいことだろう。

特に「アベノミクス」の金融緩和、デフレ脱却、すなわち第一の矢、第二の矢のとっかかりは、好意的な受け止めがされているようだ。

しかし、最近、アメリカやイギリスのメディアで顕著になってきていることがある。
それは、主としてアメリカ合衆国政府の、日本不信、日本にたいするクレディビリティ(信頼性)の低下だ。

・政府要人を含む国会議員の170名もの靖国集団参拝:右傾化の兆し?
・戦後の国際政治が根底に置いていた歴史認識:村山談話(日本の戦争責任)の否定
・従軍慰安婦の河野談話の否定、見直し:人権問題と歴史認識の後退
・従軍慰安婦問題に絡むアメリカ議会の決議案の否定、無視
・憲法改正の理論的根拠:アメリカに書かされた1週間の草案 という認識の広がり
・憲法96条改正の真の目的の不透明さ:何を日本はやりたいのだろう? 戦前復帰?
・維新の会の橋下氏のアメリカ軍慰安婦発言:全く公人としての見識を疑い始めている
・突然の飯島補佐官の北朝鮮訪問:重要なパートナーとして無視 ノーコメント?
・全く進展のない沖縄問題とそのアメリカ軍再編への道:やる気、存在認識の欠落か?
などなど。

一方では、尖閣諸島問題では、日本は常にアメリカ頼り。常にコミットを得たがっている。
アメリカから見れば、東アジアの不安定要因の尖閣問題に関して、日本から中国へ具体的な打開策の働きかけや、その検討も見えないし、同じく、韓国との問題解決も、逆に、それを足蹴にするような日本政府の発言。

アメリカは、日本も、中国も、韓国も大切なパートナーだと思っている。
しかし、その仲間同士のいがみ合い解決するための積極的な行動していない日本。
今回の政府要人の北朝鮮訪問の意味するところは、中国の圧力をかけ、韓国を抑え、実効性のある制裁を始めたばかりのところに、同盟の相手、日本が無神経に入り込んでメチャクチャにすると感じているようだ。

それだけに、日本に対する不信(Credibilityの低下)が、間違いなくアメリカ政府内で起きている。

もしかすると、アメリカは沖縄も含めて、日本から全面的に引くかもしれない。

何処までか?おそらくは、グアム、フィリピンあたりまで、自分の防衛ラインの引き下げることだって考えられないことではない。
もう、検討に入っているかもしれないと思っている。
そんな時に日本はどうするのか?

そんな状況に置かれていることを、安倍さんを含め、おらが郷土の国会議員先生たちは考えているとは思えない気がする。 お役人の外務省も想定してはいないかもしれない。
杞憂であってほしい。

金融緩和政策は、日本を強くするか?

2013-05-12 | Weblog

日本の銀行には、じゃぶじゃぶ、金が余っている。
しかし、先進企業の設備投資に向かうべき期待と裏腹に、企業には、今後の企業戦略が確立してない。

金をどこに使うべきか、自信が持てないでいる。

では余った金はどこに行くのか。
日本の低い金利で借り入れた資金は、高金利の諸外国に向かう。
その辺を、今日のウォールストリートジャーナルが下記のように報じている

引用始まり


日本は新たな「キャリートレード」を開始した。そこでは世界の投資家が円を超低金利で借りて、それを他の通貨に交換し、もっと高いリターンを求めて投資する。日本は近年キャッシュ不足で苦しんできたのではなく、資本の生産的な利用の欠如に苦しんできた。経済改革が欠如したままだと、安倍氏の創出する新しい流動性の大半は海外に向かってしまう。

引用終わり

特に、新興国の市場が危機にさらされそうで、日本国内の投資にはまわりそうにもない。
安倍さんの言う「第三の矢」の中身が見えない状況で、実体経済がよくなるとは言い切れないのではないだろうか。

世界に冠たる日本の製造業は、日本国内にはもはや存在しないのかもしれない。ソニーが、パナソニックが、東芝が、シャープが、三菱が、NECが、富士通が、みんな次期戦略を見失っている。元気な一人勝ちは自動車ぐらいのものだろう。

本当に、日本の将来の産業構造をどう持っていくのか、注目したい。
農業の改革は避けて通れないと思う。