放射能汚水のプールが壊れて、東電は困惑している。
考えてみれば、いかにも愚かな、安全設計の足りないプールを作ったものだ。
しかもバックアップがない。これが決定的に東電を追い込んでいる。
毎日、400トンもの汚染水が作られている影には、「冷温停止」を、日本政府が適当に作った「冷温停止状態」という言葉で、国民を欺いて安心させたことから端を発している。日々、メディアを含め、福島原発事故から、国民の意識はどんどん薄くなって行っている。もう忘れているに違いない。
では、現実の本当の問題は何か?
現実的には、メルトスルーした核燃料はどういう状態で、何処に在るのかはわかっていない。なぜ原子炉が壊れたのかもわかっていない。単に、津波のせいにして、地震に対する原子炉の脆弱性を見ようともしないし、本当の検討、検証は行われてはいない。
昨年7月に国会事故調がまとめた、報告書は、今どうなっているのか?
「福島原子力発電所事故は終わっていない」という書き出しで始まる報告書を誰がフォローしているのか?
安倍政権は、どう考えているのか?
東電は、本当に廃炉に向けての技術的、人材的な可能性を持っているのか?
個人的には、汚染水問題を含めて、事態はもう東電に任せておけるようなレベルではないということだ。
国がイニシアティブをとって、国民と、世界の人たちに対して、絶対に安心できる方策を、立てて実施すべきだ。
世界は、日本への信頼感に疑念を持ち始めている。国際的な英知を集めればいい。
解決策があるとすれば、例えば、決して避難民が帰ることのできない福島の地域のどこかに、地盤を調査し、地下トンネルを掘り、渭水を防いだ地下タンクでも作って、そこに永久貯蔵するくらいしか方法は無いはずだ。
チェルノブイリでやられたように、絶対に「将来も帰れない土地」があるわけだから、そこを使うしかないだろう。
同じく、適当な除染で出てきた膨大な表土も、東電には処理できないのだから、同じように地下に埋め組んでしまうしかないのだろう。
とにかく、国は何のイニシアティブも取っていない。
安倍さん、にんまり笑ってなんかいられないんだよ!