バカ犬

ちょっとバカ犬になって、本音を言ってみたいと思いませんか?

『「原発なしで電力は賄える」は本当か』は本当か?

2011-07-16 | Weblog

日経BPの「ECO Japan レポート」で、

富士常葉大学教授の山本 隆三 氏 が、7月6日に、

原発なしで電力は賄える」は本当か

というコラムを書いている。

実に、不毛な議論に見えるので、反論しておきたい。

ご自分で、http://www.videsonews.comの
プレスクラブ (2011年05月10日)

「福島原発巨大事故 今何が必要か」をご覧いただくことをお勧めします。

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山本氏の言い分:☆
私の疑問、反論:★

☆インターネットなどをみると、そんな広瀬氏の記事への注目が高まっている。広瀬氏への賛同を、ブログで表明する市長も現れた。一方、政府が節電の要請を止めようという気配はない。広瀬氏の主張が正しいのであれば、節電の努力は不要なはずだが、むしろ節電のための取り組みは広がっている。

★全く広瀬氏の議論とは関係のない、状況説明に過ぎない。
政府は、広瀬氏の議論を知らないと思われる。衆院での講演会に出た国会議員は多数いた。
お調子者の鳩山さんもいたが、途中退席している。


☆原発廃止を強く訴えたいために、データをよく検証せず、原発を今すぐ廃止しても電力供給は大丈夫と言い切るのは、ミスリーディングと言ってもいいだろう。
問題は、震災からの復旧が進む来年以降の電力需要に対応できるかどうかだ。今後、この4基が定期点検の時期を迎えて停止していけば、供給はさらに厳しくなるだろう。

東電以外の電力会社の最大電力需要も、来年以降、伸びが予想される。低迷が予想される今年の需要予測の数字をもってして、原発がなくても需要を賄えると言い切る広瀬氏の主張にはやはり無理がある。

他社受電に、卸電力事業者である日本原子力発電の原発が発電した電力が含まれている


★できない理由をつけて、できないと主張している。例えば水力発電
山本氏の考える、代替案がない。

☆ちなみに原発がなければ、高値の化石燃料をたいて水を揚げることになる。

★これは、なぜ原発でなければならないのか説得力はない。

☆水力、火力、他社受電のすべてで、広瀬氏の主張が成立しないことが分かった。

★これは、現状に拘泥した議論であり、これから原発以外のLPG火力の強化などは全く考慮されていない「ための議論」でしかない。


☆広瀬氏は、自家発電があるので供給力に不安はないとも主張しているが、現在ある自家発のうち、供給力に余裕がある発電所は、既に電力会社と長期契約を締結して電力を供給する卸供給事業を行っているか、直接、需要家に電力を販売しているはずだ。

★これは推論でしかない。
山本 隆三氏の議論は、明言はしないものの、原発ありきの考え方が透けて見えるものだ。

山本さん、あなたは原発の抱える今後のリスク、事故が起きた場合のコストをどうマネージしていこうとするのか全く触れていない。
結果として、自分自身の主張が全くない。
単に拱手傍観を決め込んでいるだけだ。
広瀬さんの言っている、コンバインド火力とかの実行可能な代替案には全く触れていない。

代替案がない意見は、全く意味がない。
議論のしきたりとして、代替案がないものは、結果としては賛成であるという原則を全く知らないようだ。
こうして考えると、著者の意図がはっきり見えないばかりか、現状容認の立場が透けて見える。

結果として、このカラムは広瀬氏の意見に何一つ真面に応えていない。

どこか電力業界とかの代弁者として、議論らしきもの(議論ではない)を吹っかけているにすぎない。

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日経BPにしては、真にお粗末なコラムなので、その旨日経BPに申し入れをした。
編集者に伝えると、今日返事が来た。

今度は玄海原発で

2011-07-08 | Weblog
福島の安定冷却も収束しないうちに、国は突然、検査の終わった原発は原子力保安院のガイドに基づいた安全の方策が担保されたとして、運転の再開を決定した。

その最初にあげられたのが、九州電力の玄海発電所の2炉だ。

海江田さんは現地に赴いて、岸本玄海町長町長と佐賀県の古川知事とあって、国が安全を保障すると言って、再開へのご合意を取り付けた。

ここでも、全く福島の反省のない判断がされた。

・玄海町の町長は、国が安全だと言っているから安全だ。よって、再開に合意するといった。

これって、全く、福島の惨事をどう自分として判断したのかが見えてこない。
ここから見えてくるのは、今までとまったく同じ、お上が言うから分からないけど安全なようだから、合意しておこうという姿勢だ。
確信を持つために自分自身でどのようなことをやって確信を得たのかは全く見えない。おそらく何もやっていないに違いない。

・佐賀県県知事、古川さん。
この人も、海江田さんが出向いて、安全だと国が担保したから大丈夫だろうと、合意の方向を決めた。
記者会見では、明らかに、原子力発電の重要性を強調して、発電再開を事実上認めることを言った。

こうしたムード=空気(山本七平によれば、「空気}が醸成されて)に乗っかった決定がされる直前に、菅さんが唐突に「ストレステスト」の実施による安全の確認を言い出した。
これ自体は悪いことではなく、EUでは、これによって、原発の安全確認をやろうとしているわけで、荒唐無稽な方法論ではない。

あわてた玄海町の町長さん、自分の軽い決定にあせった。
古川知事も、海江田さんの言葉を信じて、再開合意に腹を決めていたから、これもあせった。

国を悪者にして、自分の確信のない判断を、即刻翻した。

当事者がこれだから、町民、県民は、タダおろおろするばかりだ。
これは、今までの思考パターン、「お上が言えばその通りだと思う」を、反省もなくつづけている首長さんの責任である。

しかし、もっとわからないことがある。

それは、
原子力安全委員会の無能さだ。

原子力安全委員会のホームページで、

「原子力安全委員会について」とその存在意義を述べている。

いわく、

『国による規制は、直接的には経済産業省、文部科学省等の行政機関が行う。

これらから独立した中立的な立場で、国による安全規制についての基本的な考え方を決定し、行政機関ならびに事業者を指導する役割を担っています。このため、内閣総理大臣を通じた関係行政機関への勧告権を有するなど、通常の審議会にはない強い権限を持っています。』

今回の、原子力保安院の指針で十分かどうかは、この安全委員会の仕事ではないか?

しかし、菅さんから、ぽろっと「ストレステスト」という言葉がこぼれる出てくる。

お偉い学者さんたち、このことこそ、あなた方が出てきて、専門知識をベースに強い勧告を出すべきではありませんか?

班目 春樹 (専門:流体・熱工学) 東大系

久木田 豊 (専門:原子力熱工学) 東大系

久住 静代 (専門:放射線影響学)広島大学

小山田 修 (専門:原子炉構造工学) 東大系

代谷 誠治  (専門:原子炉物理・原子炉工学)京大系

あなたたちは、従来の日本における原子力発電に貢献こそすれ、何の「チェック&バランス」の機能を果たしては来ていないではないですか。

今こそ、「ストレステスト」の具体的な中身を、スタッフを使って、早急に練り上げるべきです。
それが、あなたたちのお仕事です。

菅さんも、専門家に働かせてはどうでしょう。
とうしろうが、思いつきで行っても、実行はされません。

注意深く見守っていきましょう、皆さん。

九電のやらせメールなんか、目じゃないです。

なお、このコラムは、原子力安全委委員化に意見として投稿しています。回答があれば、続報します。