バカ犬

ちょっとバカ犬になって、本音を言ってみたいと思いませんか?

安倍政権の作りだしたムードの世界

2013-03-31 | Weblog


自民党と公明党の圧勝は、民主党の敵失であったことは、前にも書いた。
民主党がなぜ失敗したか、ちゃんとした総括は民主党からもない。しかし、確かなことは、民主党という組織が本当は存在していなかったという厳然たる事実だ。

言うまでもなく、その最大の悪の存在は小沢さん。党を分断し、自分の党・政権の足を内部から引っ張り下ろすという、権力闘争の塊であったからだ。小沢ガールズなんとかで100人を超える、圧力集団を民主党内部に作ったのだから、一番罪は重い。でも今回の選挙で、国民はそれをよく見ていた。

その次には、鳩山さんだろう。馬鹿な、能天気なことをお坊ちゃん気質で言い放って、政治への信頼を失った。沖縄普天間がその最たるものだ。アメリカに「トラストミィ」と言ったことは、口あんぐりの大醜態。政治家を辞めてよかった。

菅さんは、それなりにやったと思う。ドジョウはドジョウでしかなかった。何しろ、役人を使えなかったのが、最大の欠陥だ。

では安倍さんはどうかというと、今はムードの世界。アベノミクスが効いているようなムード。しかし、株価が上がろうと、円安が進もうと、実質経済が好転する気配はまだない。

ムードと言えば、能天気な日本国民は、安倍さんに70%の支持率を与えている。付和雷同、自己の考えのない、メディアの口車に乗って、YESと言っているにすぎない。本当のところを、国民はどう見ているのだろうか。疑問だ。

日銀総裁にインフレ率2%を強引にコミットさせ、コミットしたことは、政治の責任を日銀に押し付けたとしか僕の目には映らない。無謀ですらある。

いくら、金融緩和をして、じゃぶじゃぶ、お金を場に出しても、それを使う企業がその金をどう使ったらいいか、分かっていないのだから。じゃぶじゃぶの金の使い道が見えていないからだ。

物価を上げ、企業が収益率を上げ、インフレ(リフレ)になり、賃金を上げて、それが、国民の賃金上昇、収入増になって、経済が拡大していく。そうして始めて、良いサイクルへ入る…と期待しているが、まだムードの状況でしかない。

少しムードがよくなっているのは、円安で輸出依存型の企業業績が上がっているにすぎない。輸出依存型と言っても、SONY、 PANASONICなんて勝手の花形産業は何を作っていいのか分からないで、何でも作っている。なんでも作るから、何でもない会社になる。SONYなんて、何を作っている会社か、もうわからないのが現実。世界を驚かせた新しい良い製品サービスは見当たらない。

こんなムードだけの世界で、最大3位の経済大国を運営してなんか行けないと思う。

円安で輸入代金の増大。貿易収支の経験したことのない赤字の連続。円安による、物価の上昇。賃金の実質的増加に転じなければ、期待しているサイクルは、逆方向に、つまりバッドサイクルに陥っていく可能性が高い。しかも、国家の財政破綻は目の前にせまっている。

やるべきことは、成長の領域の明確化だ。日本の20年後の国の姿の設計だといってもいいだろう。どんな国にしていこうとしているのか、ムードでは実質成長は望めない。

外交的には、まず、胸襟を開いて、早期の日中首脳会談を開いてほしい。見ていると中国という国は、とてもメンツを大切にする国のようである。尖閣を中心とする緊張の原因は、双方にあるが、今回の直接な原因は、元東京都知事、石原さんの暴走から始まった。この問題に、中国との間で、何らかのオトシマエをつけなくては、話は先に進まない。

アメリカ訪問に続いて、すぐさま、中国訪問をやり遂げてもらいたかった。モンゴルで、中国を刺激しているようでは、日中はまだまだこじれていくだろう。

安倍政権に対するアメリカの本音

2013-03-10 | Weblog

「オバマ政権にとって信頼しきれない対象があるとすれば、それは安倍首相その人かもしれない。」という記事を見つけた。米国エコノミスト紙の「安倍晋三は頼れる同志か、それとも心配の種か?」の記事だ。

安倍さんは、とにかく今ははしゃぎ過ぎの感は否めない。

勿論、その加担者はメディアであり、表面的な物の見方しかできない、どちらかというと多数派の日本人の性格にもあるだろう。

株価が上がった、円安が起きた、輸出産業が元気で、黒字を出している、等々。
しかし、本質的にはアベノミクスの効果が現れたのだろうか?
円安、株高の本当の理由は、アメリカ政府の景気刺激策で、アメリカの消費動向、NYS株価の動向が日本に影響しているにすぎない。バーナンキさんに感謝するべきだろう。

冷徹に、現状を認識する必要がある。

しかもアメリカの本音は、安倍さんの右翼的発言に、日中間の不協和音が拡大されるのではないかとの危惧がある。

日本は、尖閣の安全について、アメリカのコミットを得ようと努力しているようだけれど、日米安保の対象…と公式論を確認するだけで、アメリカのスタンスは日本の認識とは、大きく隔たっているように見える。

例えば、中国の艦船が日本の漁船を尖閣の水域で拿捕したとして、日本の海上自衛隊が中国船とトラブルになっても、アメリカは何もやってくれないということを覚悟しておく必要がある。

アメリカは、ちっぽけな事で、大国、中国と対峙するとは更々考えてはいないのだ。日中でうまく処理してください!というのが、アメリカのスタンスだと思う。安倍さんはその辺を読み誤ってはならない。


米国エコノミスト紙の「安倍晋三は頼れる同志か、それとも心配の種か?」の記事はワン・クリックで読めます。