BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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ニューヨーク散歩

2007-10-23 21:33:31 | 読書感想文
この間探し物があり、古本屋さんへいった時ふと見つけました。
司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズの39巻。
舞台はズバリ私の大好きな「NY」です。
しかも初版シリーズのものです!
文庫本や新装版は見たことあるのですが、
初版シリーズのハードカバーはこうなってたのですね。
表紙の昔のニューヨークの絵がまたおしゃれです。
1994年の第二刷発行のものですが、保存状態もよくってこれもってた人が大切にしてたと思います。
これネットで探してもなかなか見つからないのに、すんごくラッキー。
早速買って読んでいます。
司馬遼太郎が訪れた1992年のNYがそこに。
私の知ってる2005-2006年のNYとまったく変わらない景色もあれば、
セントラルパーク南のエッセクスホテルが日航ホテル経営だったりと、
その時代のNYを垣間見ることができます。
しかしこの本の中でも、作者がハドソン川の対岸の森の原始の美しさをほめてて、それが今でも変わらず残っていることに、なんだかうれしくもあります。
本の中身はほとんどがコロンビア大学で日本語学を確立した有名な学者であり、教授である角田先生やキーン教授のことがかかれてます。
この当時のコロンビア大学の雰囲気も伝わってくるし、
私の知らなかったNYが出てきたりして面白い。
たとえばブルックリンの共同墓地にハリスのお墓があったとか、
ハロウィーンはアイリッシュ移民が持ち込んだお祭りとか、
ブライアンビーチのロシア系ユダヤ人とか、ブルックリン橋のこととか。
NYに居ながら日本の文化や東洋のことまで思いをはせてる作者の知識の広さを感じてしまう。

「ニューヨーク散歩 街道をゆく(39)」 司馬遼太郎
朝日新聞社 1300円(当時)