紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ナマハゲ、ばんざい。

2007-01-05 22:37:55 | 新聞
 今日は初仕事。年末年始の新聞クリッピングが、山のように溜まっている。これをスタッフ2人でやっつけるのは(他のカウンター業務をしつつ)一日仕事だったが、楽しみでもあった。最近は目からも耳からも刺激がなくて、センス・オブ・ワンダーな記事に飢えていたのである。

 一日がかりで目玉が痛くなるくらいに新聞を眺め回したが、「これは」と思う記事は意外になかった。もしかすると、「一日でやっつけよう」という欲が邪魔したのかもしれない。

 各種新聞のなかでも、密かにお気に入りの「日経新聞/夕刊」2006年12月28日付けに、微かに私の琴線に触れる物があった。見出しは「『ご当地検定』で再発見(歴史や文化の知識を試す/定年後は観光ガイドに)」とある。

 京都の本屋さんでは、必ず目立つところに並べてあるテキストの検定「京都・観光文化検定試験(京都検定)」の紹介が、まずは書かれてある。

 しかし私の琴線に触れたのは、そんなもんじゃない。去る12月31日に秋田県で大活躍した方々に関する検定である。その名もズバリ「ナマハゲ伝導士認定試験」である。

 秋田の誇る伝統文化、ナマハゲさま。近年これほど和の文化が流行っているというのに、ナマハゲさまへの風当たりは強くなるばかり。家に上がらせてもらえないばかりか、児童虐待では?の誤解まであるらしい。

 そこで、男鹿市観光協会がナマハゲの良さを全国の皆様に知っていただきたい!という郷土愛に満ちた思いから誕生させた「ご当地検定」である。そのような愛に満ちた想いから生まれた検定なので、難解な試験ではない。合格率は90%というウワサもある。

 しかし受験者に要求されるのは知識だけでなく、ナマハゲさまへのふか~い愛であることも、受験を思い立たれた方は、肝に命じて欲しい。

 まず、テキストはない。試験は夕方からなのだが、受験者は午前中からの研修と講義を受ければ、その中から問題がでるらしいのだ。この当日の研修と講義が、受験対策となるので、一日で対策と試験が終了する、短期決戦の検定でもある。

 次いで受験地は男鹿市のホテル一カ所のみである。ナマハゲさまに対する愛がなければ地元もんはともかくとして、地元もんでもない人間が、わざわざ男鹿市まで出向いて研修&講義&試験を受けるだろうか? 受けるはずがないのである。知識偏重の試験にもの申したい、というナマハゲさまのご意向を尊重した結果であろう(ほんまか?) 

 ただし、これだけナマハゲさまへの愛を示し、検定に合格したとしてもナマハゲさまになれる、というものでもないらしい。あくまでも「伝導士」なのである。お釈迦様の教えを伝える「お坊様」が、どんなに修行をしても「お釈迦様」にはなれないように、残念ながら「ナマハゲ伝導士認定試験」に合格したとしても、「悪いゴはいねがぁー!」と鬼の面をつけ、包丁を振り回すわけにはいかないのだ。繰り返すが、あくまでも「伝導士」なのである。

 ホテルでの研修や講義の関係上、受験者を90人に限定しているので、興味のある方はお早めに申し込んだ方がいいらしい。人気がある検定なので定員に達すると受験自体が締め切られる。地域おこしとしても、一役買っている検定なのである。

 郷土愛と民俗学の入り交じる検定は、目下の狙い目かもしれない。
 郷土の伝統文化をアピールでき、サメ[ターを養成でき、なおかつ観光客も呼び込める方法として一石三鳥にも四鳥にもなる「ご当地検定」を、全国の観光協会の方々にご一考願いたいものである(すでにされている場所多数あり)