紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

線路は続くよトレビアン

2007-01-07 22:23:09 | 
「ばんざい」、「ブラボー」とくれば、次は「VIVA」とか「トレビアン」を続けてみたいが、今日の出来事や読んだ物でこゝろ惹かれるものって・・・ん? あったよね、すこしばかりこゝろ惹かれる記事が。酒井順子さんの『女子と鉄道』の書評である。

 今月号の『ダヴィンチ』や今日の新聞書評でも目にした。鉄道好きな女子にスャbトの当たったエッセイである。なんで今までこうゆう本がなかったのか、不思議なくらいだ。女子の鉄道好きは単純に電車に乗るのが好き(「乗り専」)、という酒井さんのご指摘は当たっていると思う。その「解りづらさ」が女子と鉄道を結びつける事を躊躇させたのかもしれない。

 いわゆる男子の鉄道マニアと女子の鉄道好きとは、まるで異種目だという酒井さんのご意見にはまったく同感である。が、果たして本当に女子に鉄道好きは少ないのか? 
 いや、そんなことはないはずである。

 かつてNHKで放映された関口知宏の鉄道全線制覇の旅をうっとりと、ものすごくうらやましがり、食い入るようにブラウン管に見入っていたオンナは、少なくないと思う。これは鉄道好きというカテゴリーには入らないのか。単に旅物で括られているのか? そんなことはない。やはり鉄道全線制覇の旅は、「鉄道」が重要なのだ。

 夢見る頃に女子は、「白馬の王子さま」が自分を攫(さら)ってくれる事を妄想しがちであるが、私は20歳の頃には、JR(国鉄だった?)が見知らぬ土地に連れて去ってくれる快感に酔いしれていた。王子さまより鉄道の方が現実的かつロマンチックだったのである。

 それに女子は母になる場合がある。特に男子の母ともなれば、鉄道とのおつきあいは一気に激しくなる場合がある。もとより素質はあったが、まさに私がそれだった。

 2歳の男子と「青春18キップ」で日帰りであちこちへ旅をした。このキップは1日JR電車乗り放題なので、なるべく遠くへ、なるべくたくさん乗ることに意義を見いだし、東へ西へ、ぐるりと琵琶湖一周へと赴いた。旅、というより、電車、電車、乗り換え、電車、電車、途中下車、電車・・・というような電車三昧の一日を過ごす。

 あるいは路面電車を求めて、ケーブルカー(登山電車)を求めての電車求道を歩むこともあった。

 時刻表を眺めては乗り継ぎを調べ、うっとりと空想旅行にふけるタイプだったので、鉄道マニアの息子を持つ事は至上のヨロコビであった。おかげでたくさんの風景と、その場限りの人々と、いくつかの美味しいものとに出合えた。

 ちび鉄道マニアを息子(娘)に持つサービス精神旺盛な母の何割かは、きっと鉄道好きに違いない、と思うのであるが、いかがなものであろうか。