紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

亥VS狛犬

2007-01-21 20:27:52 | おでかけ
 昨日よりの続き。

 久々の寒い日だった。馬見岡綿向神社に着いて車を降りると、小さな水たまりに薄氷の張る冬らしい冷気を感じる。それくらいの寒さが、いっそ心地いい。

 巨大な亥の絵馬の前でお参りし、奥の院へ。
 
 奥の神社の前には、真ん中に石の太鼓橋まで架かって本格的。多賀大社も大きな木の太鼓橋があったけれど、ここのはちょっと小振り。でも石でできているのは豪勢。

 ところで日野町は、江戸時代に巨万の富を築いた日野近江商人たちの地元である。彼らが、商売繁盛、出世開運を祈願した氏子たちなので、それは手厚く祀られているのだ。もともとは日野町の支配者、蒲生家一族(たとえば蒲生氏郷公が有名)の氏神として庇護された神社である。立派なのもうなずける。

 その奥にあるお社は、狛犬からして年季を感じる。風雪に耐えたいにしえの貫禄を感じる。





 そしてなんとお社の入口に、なんとも素朴で可愛らしいイノシシちゃんが! 若い娘なら必ず「きゃー! かわいー!」と叫ぶに違いない。位置的にも「たったいま、山から到着しました~」という、無邪気で自然主義な気配がたまらない。

 おまけに平べったい賽銭箱にもサイドにイノシシが彫り込んである。前面には、神社のマーク?である二羽の鳥が描かれているが、これもまた、素朴で可愛らしい上に、とぼけている様子がツボにはまってしまう。

 無人の社務所でお守りと絵馬を購入し、もう一度手前のお社に戻って狛犬の写真を撮ってみた。

 あれ? 左手の狛犬には、しつこく甘える子どもがいるではないの。右手の狛犬は暢気に微笑みつつ、鞠で遊んでいるというのに。


 ご苦労様です、と子連れの狛犬さんを労って立ち去ろうとすると。
 木立の中にお侍さんが佇んでいる? こちらも子連れであるが、ただならないご様子とお見受けする。ずいぶん苔むしていらっしゃるし、なんの説明書きもない。
 

 たまたまお社に出入りされていた神社の奥様らしき方がいらしたので、その像のいわれを聞いてみた。
「ああ・・・あれはこの神社とはなんの関係もないんですが、楠正成・正行親子の別れの場面なんです。もともとは小学校にあったものなんですが、学校に置いておくのが都合が悪くなったとかで、ウチに持って来られたので置いてあるんですよ。」

 やはり行き場をなくした薄幸の方々だったのだ。でも木立の木陰は、場面的にもベストマッチな気配を漂わせていた。かなり丁寧につくってある像だったので、よけいに哀れを誘った。やや、メランコリックな物思いの中、帰途につく。

 うっかりしていたのだが、行きは案内看板に沿っていたので、迷う事なく目的地まで来られたのだ。行きはよいよいなのだが、案の定、帰りは迷いに迷い、あろうことか一時は甲賀を目指してしまった。今日は忍者屋敷には用はないのよ~。それでも1時間弱で、なんとか家にたどり着く事ができた。

 ところでその日買ったイノシシの絵馬であるが、12年に一度のしろものである。お持ち帰りタイプなのだが、なんとご利益(保証)期間!?は12年間なのだ。大変なお買い得だったような気がする♪