紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

おネエさん、ブラボー!

2007-01-06 21:32:51 | お買いもの
 この連休が終われば、冬休みも終了である。3学期の準備として、Kちゃんの上履きを買い替えないといけないので、靴屋さんに行く事にした。

 我家では行きつけの靴屋さんがある。各種ご要望にお応えする品揃えで、しかも安い、というだけでない。最大の魅力は、そのお店の店長なのだ。

 小柄で華奢な店長は、どちらかといえば不器用そうで、営業向きではなさそうなのだが、それでも一生懸命仕事をされる。お客を待ってレジでぼんやりせず、寸暇を惜しんで靴の整理や、並べ替えや、雑務をこまごまと甲斐甲斐しくこなしておられる。

 お客がみえたら、本当は得意ではなさそうな営業トークを、一生懸命される。私が靴のサイズを見ながらチェックしていたら近寄って来られた。

 「サイズがなければ奥にも在庫がありますので、ぜひ、おっしゃってくださいね♪ ゆっくり、ゆっくり♪ ご覧になってくださいね♪」と、微笑みつつ、なよなよと、しかし、心をこめて接客されているのだ・・・とても女っぽく。離れた場所で、Kちゃんが、密かに受けまくっているのがみえる。そう、彼は「おネエキャラ」なのだ。

 おお、やった~、店長に声をかけてもらったぞ! と、店長ファンの私は内心大喜びで、「ありがとうございます~♪」と満面の笑顔で返す。

 はじめて店長にお会いしたのは、3年ほど前かな。

 夜に緊急でお兄ちゃんの黒いローファーを買いにきたときだったが、肝心の本人が来られなかったので、サイズにずいぶん悩んでいた。しかも翌日までに、どうしても必要だったのだ。
 そのとき店長は、「夜10時まで(だったかな?)開いてますので、それまでに来てくだされば、お取り替えできますから大丈夫ですよ」とおっしゃってくださって、大感激。そのなよなよとした物言いと仕草もあいまって、即座にファンである。

 その後、KちゃんやH氏も連れて来たら、彼の親切さや仕事熱心さに加え、特異なキャラに即座にファンになり、「靴はこの店!」に決定してしまった。こうして彼自身も気づかぬうちに、我家の「名物店長」になってしまったのである。いやいや、我家だけではないのかも。お客の切れ目がないので、ある程度は儲かっているように思える。

 そして本日。私は彼の秀でた能力に感嘆する事態に遭遇した。

 Kちゃんは、外見ボーイッシュなので、ほぼ99%男子に間違えられる。男子と一緒に談笑していても、全く同類として違和感を感じさせない雰囲気があるのだ。なので、旅先でも、かならず男の子と間違えられる。アメリカに行った時にも、たまたま出会ったアメリカ人には”boy”"He"と呼ばれていたらしい。

 レジで靴の代金を支払う時、なにげなく店長は「そろそろ『お姉ちゃん』も学校がはじまりますからねえ」と話しかけてきたのだ。
 
 『お姉ちゃん』!? なにげなく、大当たりやん! 今まで彼女の靴で明らかに女物は買った事なかったのに。 

 たぶん初めての体験に驚愕する。Kちゃんを女と見破った店長、やはりただ者ではないな。性別に関する嗅覚が、一般の人より鋭いのだ、きっと。

 店長に関する新たな情報を仕入れて、H氏に報告するのを楽しみに、ウキウキと帰宅する土曜のお昼前であった。
 (付記「おネエキャラ」という言葉を教えてくれたKちゃん、ありがとう!)