田舎育ちにもかかわらず、思う存分本の読める環境で子ども時代を過ごす事ができたのは、本当に幸せな事だった。
幼稚園のお部屋にも絵本があり、お弁当の後には、かならず先生が1冊読んでくださった。もっとも私はお弁当を食べるのがチョー遅かったので、自分の席で遠目に眺めていたのが残念だった。「お弁当を完食する」というのが幼稚園での揩セったのだ。
それでも残った休み時間は絵本を読むのに当てる事はできた。(なんでか知らないが、いつのまにか字は読めていた)
昔懐かしい木造の校舎の小学校には畳の家庭科室の隣に、当時としてはなかなか蔵書の多い図書室があり、朝・昼には解放されて貸出ししてもらえた。ほとんどがシリーズ物で、小学館の「オールカラー世界の童話」、「カロリーヌちゃんシリーズ」、ディズニー絵本、学研の「新しい世界の童話シリーズ」、名作全集などを順に制覇していくヨロコビを知った。
打木村治さんの全6冊のシリーズ『天の園』の「雲の学校」「雲の階段」などの、「雲の○○」というタイトルがつけられた半自伝的な小学校時代の暮らしを描いた小説なんかも、夢中で読んだ。マイナーでごめんなさい、でも読んだ事ある人には忘れられないシリーズで、この話を持ち出して、友達と大盛り上がりしたことがあった。
その他、各クラスに設置された学級文庫には「ヴィーチャと学校友だち」や「赤色エレジー」や伝記マンガなんかもあった。
「吉四六(きっちょむ)さん」「曽呂利新左衛門」「彦一とんち話」なんかのユーモアとウィットに富んだ日本の頓知は、たぶんここで学んだ。この辺も、いまはあんまりみかけないけれどね。
小学校の4年生になってからは、今では観光地になった古い町並みの残る近江八幡の商店街の近くにある私立近江兄弟社図書館に、日曜ごとに通う事になる。日曜の午後からのみオープンされる図書館なのだった。
近江商人の屋敷を譲り受けた、木造の古い図書館で、江戸川乱歩の少年探偵団、ルパンやホームズやその他のミステリーと邂逅することになる。ドリトル先生やリンドグレーンの一連の作品とも、この場所で出会った。
その後、市立の公共図書館として引き継がれるも、何年か前に山麓の土地に新しい市立図書館が建てられ、ついに木造の図書館はその役目を終える事になる。
ただ幸せな事に、資料館として利用され、建物はそのままに保存される事となった。日曜のお昼になると、バスに乗ってはるばる本を借りに来た図書館の前を、たまに通っては、懐かしい思いで、しばらく佇んでしまう。まだ子どもがひとりで歩いていても安全な時代だった。雨や吹雪や雷の日もあったが、日曜にはほぼ本を借りにバスに乗って往復した図書館は、こちらの建物である。
正面入口。ここからは一般の本がある部屋に続く。
↓ 児童書室とその入口。↓
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幼稚園のお部屋にも絵本があり、お弁当の後には、かならず先生が1冊読んでくださった。もっとも私はお弁当を食べるのがチョー遅かったので、自分の席で遠目に眺めていたのが残念だった。「お弁当を完食する」というのが幼稚園での揩セったのだ。
それでも残った休み時間は絵本を読むのに当てる事はできた。(なんでか知らないが、いつのまにか字は読めていた)
昔懐かしい木造の校舎の小学校には畳の家庭科室の隣に、当時としてはなかなか蔵書の多い図書室があり、朝・昼には解放されて貸出ししてもらえた。ほとんどがシリーズ物で、小学館の「オールカラー世界の童話」、「カロリーヌちゃんシリーズ」、ディズニー絵本、学研の「新しい世界の童話シリーズ」、名作全集などを順に制覇していくヨロコビを知った。
打木村治さんの全6冊のシリーズ『天の園』の「雲の学校」「雲の階段」などの、「雲の○○」というタイトルがつけられた半自伝的な小学校時代の暮らしを描いた小説なんかも、夢中で読んだ。マイナーでごめんなさい、でも読んだ事ある人には忘れられないシリーズで、この話を持ち出して、友達と大盛り上がりしたことがあった。
その他、各クラスに設置された学級文庫には「ヴィーチャと学校友だち」や「赤色エレジー」や伝記マンガなんかもあった。
「吉四六(きっちょむ)さん」「曽呂利新左衛門」「彦一とんち話」なんかのユーモアとウィットに富んだ日本の頓知は、たぶんここで学んだ。この辺も、いまはあんまりみかけないけれどね。
小学校の4年生になってからは、今では観光地になった古い町並みの残る近江八幡の商店街の近くにある私立近江兄弟社図書館に、日曜ごとに通う事になる。日曜の午後からのみオープンされる図書館なのだった。
近江商人の屋敷を譲り受けた、木造の古い図書館で、江戸川乱歩の少年探偵団、ルパンやホームズやその他のミステリーと邂逅することになる。ドリトル先生やリンドグレーンの一連の作品とも、この場所で出会った。
その後、市立の公共図書館として引き継がれるも、何年か前に山麓の土地に新しい市立図書館が建てられ、ついに木造の図書館はその役目を終える事になる。
ただ幸せな事に、資料館として利用され、建物はそのままに保存される事となった。日曜のお昼になると、バスに乗ってはるばる本を借りに来た図書館の前を、たまに通っては、懐かしい思いで、しばらく佇んでしまう。まだ子どもがひとりで歩いていても安全な時代だった。雨や吹雪や雷の日もあったが、日曜にはほぼ本を借りにバスに乗って往復した図書館は、こちらの建物である。
正面入口。ここからは一般の本がある部屋に続く。
↓ 児童書室とその入口。↓
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