紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

魚、ついに水を得る!

2007-11-02 14:30:25 | ファミリー
 大学の学園祭が始まり、お兄ちゃんTくんは不機嫌である。学園祭で担当する仕事(夜警)で睡眠不足のうえ、新聞部の取材で駆け回る忙しさのためも、もちろんあるのだろうが、それ以前から不機嫌だった。なぜか?

 「学園祭なんかなかったらええのに。せっかくの授業つぶれてしまうやん!」

 いやいや大学の学園祭は必要やろ~、とは思う。しかし、これほど授業を愛する大学生って??(笑) 最前列のかぶり付で熱心に授業を聴き、終わったら待ってましたとばかり質問をし、教授に熱く議論を吹っかけたりするヤツ。それで1回生でありながら何人かの先生たちとは、すっかり親しくなってしまった。

 取材で忙しい新聞部での、意見が違えば誌面づくりに関しても先輩にだって異を唱える。縦社会の中でも絶対に自分の意見を曲げない(苦笑)。そして最終的には通してしまうのだ。しっかり敵をつくるが、通ったということは、味方もいるということか。

 彼は大学向きのヒトだとは、昔から思っていたけれど、しかしまさかこれほどまでとは。本人曰く、「去年より勉強してるかもしれへん」。おいおい~(笑) 彼はなんと「大学に入ってから伸びるタイプ」だったのである。

 好き嫌いが激しいので、先生も勉強も選り好みするが、大学では自分で多くの選択肢の中から選べるという点が今までと格段に違う。おまけにシラバスをつぶさに見て、1回生なので授業申請できない科目も趣味で聴講しているらしい。

 それ以外に他大学の授業まで調べ、気に入った授業を密かに?聴講している。夏休みのインターンシップで狽チた人脈(!)を最大限に活かし、その大学の友だちの手引きで教室まで案内してもらえるのだ。

 それにしても入試直前まで射程距離に無かった大学なのに、突如彼の申し出により願書を取り寄せ、受験したら(けっこうあきらめてたのに)合格し、入学してみれば友だちにも先生にも恵まれ、「この世の春」を謳歌している。なんとラッキーなヤツなのだろう。そして親もなんとラッキーなのだろう。

 彼の受験大作戦は「妥協はしない、しかしテッメ[も数射ちゃどれかに当たる」というテキトーなものだったが、結果オーライでやれやれだった。

 好きな事だけをやるのは、我がままな事かもしれない。でも妥協することなく、安易な道も選ばず、どの大学というより「自分のやりたいことができる学部」を自力で目指した彼は、本当に波瀾万丈な1年を過ごした。それでも頑固なまでに自分なりの価値観をもっている彼に、運命の女神は微笑んでくれたのだ。

 水木先生の「幸福の七カ条」にいくつかあるとおり、脇目もふらずに一生懸命好きな道を歩いて行く彼は、これからも多分なんとかやっていけるような気がする。