紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

見所満載『ちりとてちん』他

2007-11-06 22:55:42 | テレビ
 今週は、月曜日の朝から大泣きだった。理由はもちろん『ちりとてちん』な訳で。

 落語の師匠、徒然亭草若から稽古をつけること(自分の弟子でいることさえ)を拒否されまくる弟子の草々がかわいそうで、かわいそうで。自分の部屋に駆け戻り、枕(座布団?)をぎゅうっと抱きしめながら泣く彼にもらい泣きし、それを見て、張り裂けそうな気持で、言葉もなく涙する主人公にも、もらい泣き。月曜日から、いきなりどん詰まりな展開だった。

 それにしても、ふたりとも(貫地谷しほり=ヒロイン和田喜代美役。落語の「皆から愛されるアホなキャラ」になぞらえ、「あほの喜六・喜公/キーコ」とも呼ばれている/青木崇高=徒然亭草々役。現在ヒロインが片思い中の、干されている若き落語家。)上手いのなんの。私はウイークディの毎日、彼らに手玉に取られっぱなし。

 ところで「どん詰まりになる」という場所は、「なんとかしなきゃ!」という場所でもある。しかも先週、ヒロインは「ちょっと前までは自分のことで精一杯やったのに、自分の家族が困っていたら、何とかして家族を喜ばせたいって行動できるようになった」と、母(和久井映見)に背中を押されたばかりである。
 ダメダメだったヒロインは、他人のために「なんとかしなきゃ!」と奔走するという、ワンステップを踏み出した。

 つまり今週ヒロインは、次のツーステップを踏み出すはずなのだ。今回は草々のためのホップ、ステップなのだ。全く無我夢中でイノシシのような行動力は、月曜日の「どん詰まり」が原動力なのだ。

 彼女は「自分の人生のど真ん中を堂々と歩く、自分の人生の主人公として生きる」ために家出同然に福井から大阪にやって来た。でも、いまもって「自分の道」は見つからず、先週も父親に嫌みを言われていたっけ。

 自分の人生を見つけるためには、自分を忘れるほど他人のために「なんとかしなきゃ!」と思えるのが一番の近道なんだろうな。というか、他人とつながって行くところから、初めて道は出来て来るのかも。そんな「ホップ」、「ステップ」の次に、やっと自分が「ジャンプ」できるのかも。

 とはいえ、これはやろうと思ってやれることではないので、実に難しい。「他人のためにしてあげる」のではなく、考えるより先に思わず「やっちゃいました」みたいな感じだもんな。

 ということを始めとして、みどころ満載なドラマなのです。私の個人的期待大な桂吉弥さんは今日、あがり症の元落語家(=徒然亭草原)で、現在はあがり症の実演販売員という役を、期待以上の上手さと面白さでやってくださいました♪ ブラボー! 

 いやいや、彼だけでなく、ホントに「うわ、うわ」というくらい皆さん、うまいうまい。

 おまけに細かい所も見逃せない。以前、ヒロイン喜代美が親友の順ちゃんと公衆電話?でしゃべってるとき、バックが飲み屋街で、点灯看板が並んでいたが、懐かしの「スナック・アムール」の紫の怪しい看板を発見! そう、『芋たこなんきん』に登場したものです!

 ナレーションも仔細に聞けば、伏線や先行暗示などがちりばめられていて、微妙に先週とは変化していたりする。テレビカメラのアングルやカットにも不思議なものがあり、「なんでこうなるの?」というのには、実はしっかり根っこがあるみたいで、ドラマガイドやHPをチェックして「あ、そういうわけで!」と納得することもある。まったく手の込んだドラマであることよ。

 今日は、ほんとはH氏のリクエストで「まいうー」な番組の話を書くつもりだったのに、長々と『ちりとてちん』ばなしをしてしまいました。H氏、ごめん! 
 でも石塚英彦がサザエのつぼ焼きを食べたあと、サザエのフタを両目にはめた顔が砂かけババアそっくりで爆笑だったって書いても、それで終わりだしさ。画像もないしね。

 まあ、忘年会の一瞬戟A題して「砂かけババア」ネタ、爆笑とれることは請け合います。