花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

斜めの関係

2020年11月24日 | 研究
流し台でガラス容器を洗ってるのはハンターズJr.の男子。
5月の連休明けから取り組んできた研究も終わり
今まで使ったガラス水槽をきれいに洗っているのです。
さて彼らは自ら希望してハンターズの研究生になりました。
実験しながらいろいろ話をしてみると、
二人とも手をあげたのはファイナルフローラが2018年に
世界準グランプリを受賞したのに刺激を受けたからといいます。
当時はまだ中学生だった彼ら。名農に入ったら先輩のように
研究してみたいと思っていたようです。
さらに一名は、なんと準グランプリを受賞したメンバーの親戚でした。
平成が終わるのと同時に解散したフローラですが
彼らの活躍はしっかり地域の子供達を育てていたようです。
今年はコロナの関係で一時は募集休止を考えた人材育成プロジェクト。
こんな話を耳にすると、やめずに良かったと本当に思います。
さてこの人材育成プロジェクトはアグリチャレンジとともに
教育の甲子園と呼ばれる時事通信社の教育奨励賞を受賞するなど
教育関係者から高く評価されています。
その理由のひとつに先輩が指導するというスタイルがあります。
先生と生徒という「上下関係」ではなかなか思ったことがいえません。
逆に同期の仲間同士という「横の関係」では甘くなってしまいます。
適度な緊張がありながら話をしやすい先輩や兄弟から教わる「斜めの関係」。
教育界では昔から効果が認められているこのスタイルを
取り入れたことが高く評価されているのです。
これもフローラのおかげ。科学研究を題材にした教育実験の成果です。
楽しそうに洗っているJr.たち。しかし水を取り替えていないまま
長い間放置したので水が臭く、実験室に悪臭がしてきました。
すぐそばには先輩の姿。叱られないよう手早く洗っています。
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名久井おろし

2020年11月24日 | 学校
名久井農業高校のグラウンド。
霜が降りて真っ白になりました。
角度によっては朝陽が当たりキラキラ光ってきれいです。
このように辺り一面霜が降りた状態を「霜の衣」といいます。
着物を着たように真っ白になるからだと思います。
さて季節はゆっくりと晩秋から冬へと向かっており
木枯らしが吹き、そのつど木々の葉を落としていきます。
さてみなさんは「○○おろし」という山越えの風をご存知ですか。
よく「六甲おろし」とか「赤城おろし」などといわれる局地的に発生する風です。
青森県にも「八甲田おろし」、「岩木おろし」という言葉があります。
ところが目の前に名久井岳がそびえる南部町には
残念ながら山越えの強い風が吹くことは四季を通じてありません。
それはなぜでしょうか。「おろし」は標高が低い丘でも発生するといいますから
標高615mと名久井岳が低いだけが理由ではないと思われます。
しかし地形が関係しているのは間違いありません。
名久井岳は八甲田連峰や岩木山に比べると小さな山。
また山は壁のように連なっていないため、
もしかしたら吹いてくる風がみんな山を越えずに
周囲を回ってきているのかもしれません。
以前、農場の先生方が以前と風の吹き方や霜害の場所が変わってきた話していました。
開墾して樹木を伐採したり、工事で道ができたりすることで
風の流れが変わり、冷気がたまる場所も変化しているのかもしれません。
もし名農気象班がまだ存在していたら、
そんな局地的な微気象を観測しては地域農業に貢献していたかもしれません。
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