花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

リスペクト

2020年11月13日 | 生物生産科
先日、校内で秋の名農らしい農産物を見つけました。
ご覧ください。名前は「南部太ネギ」。知る人ぞ知るご当地野菜です。
今から10年ほど前、在来種である南部太ネギは生産者が激減し
なんとたった一軒の農家だけが自家用として細々と採種しては栽培していました。
減少した理由は、南部太ネギの長所である柔らかさ。
時代とともに自給自足のための食材から、
現金収入を得るための商品となった南部太ネギは柔らかいため
輸送で傷つきやすいのが逆に欠点となり、流通から姿を消したのです。
しかし柔らかで甘い美味しさは変わりません。
そこで立ち上がったのが名農生物生産科の野菜研究班。
農家さんと連携しながら地道に種子を増やすとともに
新しい栽培法を考えて地元に普及を図っていきます。
すると町はもちろん、地域の料理店も新メニューを開発し、彼らを応援し始めます。
昔と違い、そこでしか食べられない在来種こそ価値があるといわれる時代。
名農の活動により、南部太ネギは鮮やかに復活。今や地元名物となりました。
このような野菜班の取り組みは高く評価され、東京の伊勢丹で販売されたり
人気番組「DASH村」でTOKIOのメンバーとともにテレビで紹介されました。
農業高校の王道である農業研究に地域を巻き込みダイナミックに取り組む野菜班と
かたやLEDを導入するなど斬新な活動を展開するフローラは両極。
しかしこれが功を奏し、名農プロジェクトの両輪として大活躍しました。
いつも思うのですが、農業の原点である経営プロジェクトが充実していてこそ
フローラのような自由奔放な異端児が映えます。もしこの逆だったら
農高としての評価は、今ほど高くなかったのではないでしょうか。
あらためて彼らの活動に敬意を表したいと思います。
そんな野菜班が大切に育てた南部太ネギ。
今年も美味しくいただきたいと思います。
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おいしいめやす

2020年11月13日 | 
これは名農が誇るリンゴジュースですが、ちょっと雰囲気が違います。
なぜならいつもは大きな1リットル瓶。
しかしこれは200mlぐらいで寸胴のおしゃれな瓶です。
容器がかわるとこんなにもイメージが変化するんですね。
さてこのリンゴジュース。今年、ハンターズのところに
いらっしゃる予定のお客様に差し上げるために準備していたものです。
ところがコロナの感染拡大に伴い、来校できなくなり
このようにジュースだけが残ってしまいました。
ハンターズで飲んじゃおうかなと思って賞味期限を見たら
残念ながら2ケ月ちょっと過ぎていました。
みなさんは飲みますか?それとも飲みませんか?
さて賞味期限について今年面白い取り組みがありました。
消費者庁が賞味期限の愛称コンテストを開催したのです。
農業高校は食について深く学ぶので、応募すればよかったのですが
気付いた時にはあとの祭り。もう締め切られ、結果も発表になっていました。
大臣賞を受賞した作品は「おいしいめやす」。
素敵なネーミングだとは思いませんか。
ご存知のとおり、賞味期限は弁当などにつく消費期限とは違います。
したがって期限を過ぎても食べることはできるのです。
しかしなかには心配なのか食べずに廃棄してしまう方がいます。
このコンテストは、もったいないからその意識を変えようと
消費者庁が行ったもの。まさに主催者の狙い通りの名前となりました。
ということで一段落したハンターズでせっかくだから飲みたいと思います。
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香木

2020年11月13日 | 学校
鳶色のひとみに 誘惑のかげり
金木犀の 咲く道を

アリスの「君のひとみは10000ボルト」の歌詞です。
ここに出てくる金木犀(キンモクセイ)は
とても強い香りを発する花を咲かせるので香木と呼ばれています。
日本には代表的な3つの香木があります。
それは春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)、
そして秋の金木犀(キンモクセイ)です。
この3つの樹木の共通点は寒さに弱いこと。
特にクチナシは関東以西。キンモクセイは栽培できても
北国で花を観賞するのは難しいといわれています。
つまり「君のひとみは10000ボルト」の歌の世界は暖かな地方なのです。
青森でもかろうじて栽培できるのはこのジンチョウゲ。
本来は東北南部までが適地です。
実は、このジンチョウゲもキンモクセイも雌雄異株です。
雌株には赤い実がつきますが、日本のジンチョウゲはほとんどが雄株。
したがってこちらの赤い実は、見ることはできないそうです。
では冬に咲く香木はないのでしょうか。
実はあります。蝋梅(ロウバイ)です。
三つ香木に蝋梅を入れて四大香木という人もいます。
いずれにせよ、良い香りは気分転換や集中力を高めたり、
ボケ防止にもつながるといいます。
ジンチョウゲや黄色の花を咲かせるロウバイなら
名農でも育てられるかもしれません。
ぜひ香るキャンパス作りに挑戦してもらいたいものです。
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