花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

青汁

2022年02月24日 | 研究
スムージーというよりも青汁。
しかし一般的なケールや麦の葉ではなくホウレンソウです。
実はこの冬、あるフローラメンバーは先輩が予備実験で面白い結果を得ていながら
別件が忙しくなり、途中で中止されていた研究を復活させました。
それがホウレンソウの露天風呂栽培。寒い中、養液だけをあたためる栽培法です。
この青汁は栽培法の違いによって植物体に含まれている
硝酸態窒素の含有量が違うのかを確かめるために作ったものです。
分析の結果、面白いデータがでました。
一番多いのは一般的な室内での水耕栽培。暖かな室内で液肥を吸収して
育ちました。しかし液肥をぐんぐん吸収したためか
葉や茎にたくさんの硝酸態窒素が蓄積されたようです。
とはいっても一般的なホウレンソウの含有量。許容範囲です。
次に少なかったのは寒い中、土耕で育てる「寒締め栽培」。
すでに寒締め栽培では硝酸態窒素が減少することが報告されていますが
やはり先行研究と同じ結果が確認されました。
理由は低温のため根からの吸水量が減少するから。
肥料を吸収できなくなったホウレンソウは大きくなれませんが、
硝酸態窒素の蓄積も少なくなります。
では「露天風呂栽培」はどうでしょう。
なんと一般的な水耕栽培より40%も少なくなりました。
根圏は加温されているとはいえ、やはり外気が氷点下なので
養液の吸収量は室内栽培より少ないと考えられます。
でもあたたかな養液を吸収しているため寒締め栽培の何倍も大きく育ちます。
おそらく少し吸収した肥料分以上に育つので蓄積されていた窒素分が
使われたのではないかと考えています。吸収量と消費量の微妙なバランス。
この関係を探っていくと乳幼児でも安心して食べられる低硝酸野菜を
安定して栽培できるようになると思われます。面白い発見でした。
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時短要請

2022年02月24日 | 研究
現在、実験真っ最中のフローラハンターズ。
2つのグループに分かれていますが、4名チームの試験区は16。
2名チームも20。ともに手探りで進んでいるため、
たくさんの試験区が設定されています。
どちらのチームもピペットでサンプルの水を採取し、
分光光度計で成分を測定しています。
ピペットはTreasure Huntersも使っていたので
農業高校の研究班にしてはたくさん持っていますが
これだけサンプルがあると途中でどうしても洗わなければなりません。
部活動だったり大学生だったらたくさん時間がありますが
フローラハンターズは授業の中で結成されたチーム。
放課後は資格取得や部活動にいかなければならないので
いかに短時間で効率的に行うか、つまり実験の時短が重要になります。
そこで時短要請に応え、使い捨てのプラスチックのピペットを用意しました。
幸い使っている装置は、採水する量を測定する必要がないのでこれで十分。
約300本用意したので、しばらくは時短できそうです。
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