花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

京大ウィーク?

2019年11月25日 | 学校
ハンターズの本拠地である馴化温室前は吹き溜まりになっているのか、
なぜかたくさんの落ち葉が集まってきます。
よくみるとイチョウの葉が多いのに気がつきます。
しかし馴化温室脇にはイチョウの木はありません。
思いつくのは50mほど離れたところにあるぐらい。
おそらくそこから飛ばされてきたのかもしれません。
ところでイチョウは東京都のシンボルマーク。
東京大学の校章にも使われています。
では先日、テクノ愛で訪れた京都大学のシンボルマークは何でしょう。
こちらはクスノキ。確かに時計台前に巨木がありました。
そういえばフローラの先輩たちが2名進学した筑波大学も桐がマーク。
このように昔から樹木は学校のシンボルだったようです。
さて今週、名農ではビッグイベントがあります。
それは京都大学の先生が講演してくださるのです。
以前もお話しを聞かせていただいたので、今回は2度目となります。
今年、NHKの「チコちゃんに叱られる」に出演したようで
どんなお話が聞けるか楽しみです。
さらにその翌日には、本校の信号機研究班である
TEAM RED SIGNALSが、指導してくださっているこれまた別の京都大学の先生と
横浜で開催される学会で信号機の研究成果を発表する予定です。
先月、チラッとポスター案を見ましたが何と英語ではありませんか。
おそるべしTEAM RED SIGNALS。
さてこのように講演、学会、テクノ愛と今週の名久井農業高校は
京都大学のお世話になりっぱなし。まさに京大ウィークです。
田舎の小さな農業高校にたくさんの刺激をいただき、ありがたい限りです。
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香るエッセンス!!

2019年11月25日 | 環境システム科
環境システム科のベースキャンプである施設園芸実験室です。
そこにある植物培養装置を開けたら、中にこんな植物が入っていました。
小松菜でしょうか?面白いのは葉の色がずいぶん黒いことです。
みなさんはこの理由がわかりますか。
答えは照射されているLEDの色に関係があります。
この光は赤に青が少し混ざったピンクです。
ご存知のとおり、植物は光を葉で受けて光合成をします。
光合成のために吸収される光の波長は主に赤と青。
したがってピンクを照射するほとんどの光が吸収されてしまいます。
そのためすべての光を飲み込んでしまうブラックホールのように
反射される光が少ないため、私たちの目には黒く見えているのです。
ではこの培養装置から植物を取り出してみるとどうでしょう。
やはり植物は外に出しても青と赤の光を吸収しますが
太陽光はその他にもいろいろな波長を含んでいるため、
吸収されず反射されたり、透過される光も出てきます。
その多くが緑。そんな理由から植物は緑に見えるのです。
かつて中学生の体験授業の際は、この面白い現象を紹介して
子供たちをびっくりさせていたものです。
さてチームフローラフォト二クスは10年も前から
このような光と植物の関係をうまく利用し、新しい研究に取り組んでいました。
どこか環境システム科の学習に似ていると感じた人はいませんか。
実は環境システム科の学習を考える際、
フローラの活動を大いに参考としたのです。
環境システム科ができて5年。フローラはもう解散しましたが、
そのエッセンスは、今も環境システム科の中に息づています。
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彩度と明度

2019年11月24日 | 学校
初冬を迎えた青森県に黄色の小菊が咲いています。
数十万種もある花。いったい何色の花が多いか調べた人がいるようで
その結果、真偽はわかりませんが、白が1番。黄色が2番だったそうです。
そういわれると人の手が入っていない野に咲く花は
園芸種のような赤や青というよりは白や黄色が多いような気がします。
それはどうしてでしょう。以前、ある本で読んだことがあります。
そこには明度が理由ではないかと書かれてありました。
色には明度、彩度という言葉があります。
彩度とはベースである白や黒に対して
どれぐらい純色が入っているかを表す用語です。
例えば純色を黄色とした場合、彩度が高いほど
純色が多くなるので黄色は鮮やかさを増します。
逆に彩度が低い、つまり純色が少なくなれば黄色は薄れ白や黒に近くなります。
それに対して明度は、純色に対する白や黒の量をいいます。
明度が高くなれば白が多くなり、低くなれば黒くなるのです。
さて話は花の色に戻りますが、白や黄色が多いのは
明度が高いからではないかと作者は書いていました。
確かに濃い赤など彩度の高い色も目立ちますが
白や黄色など明るい色はもっと目立ちます。
この写真はそれがよくわかります。曇り空の下で撮りましたが、
奥のピンク色の菊に比べ、黄色の方が浮かび上がって見えるのです。
春も秋も虫が少ない時期。もし虫を呼ぼうとしたら目立つのが一番。
純色の濃さである彩度よりも明度が重要なのはわかるような気がします。
では人間は何色の花が好きなのでしょう。
花屋さんの調査では1位ピンク、2位は赤と紫でした。
どうやら人は明度よりも彩度が高い鮮やかな花を好むようです。
野に咲く花が人のために咲いているのではないことがよくわかります。
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冬の香り

2019年11月24日 | 
冬が近づくとこのような果実をよく目にします。
リンゴよりも大きな楕円の黄色い果実。
これは「カリン 」(花梨)です。
カリンの特徴はなんといっても甘い香り。
自動車やトイレの芳香剤として飾る人もいるぐらいです。
またカリン酒やハチミツ漬けなどに加工して食べることもあります。
カリンの実を手にしたことがある人はわかると思いますが
実がむちゃくちゃ硬いのも特徴です。
理由はナシと同じ石細胞。ジャリジャリ君なんてもんじゃなく
硬いので生食などできません。
また加熱加工などしないと毒性もあるらしく
これも生食されない理由のようです。
さてカリンによく似ているのがマルメロ。
こちらも香りのよい似たような果実が実ります。
しかしマルメロには毛があり、カリンは無毛と見分け方は簡単です。
どちらも化粧品に用いられるほど良い香りがします。
カリンは庭木に用いられることが多い樹木。
ぜひ散歩しながら探してみてください。
寒くなりました。
風邪気味の方はのど飴でもなめましょう。
もちろんこの時期のオススメはカリンの香りです。
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絶対に譲れない戦いがそこにある

2019年11月24日 | 環境システム科
施設園芸実験室です。
学校の施設を設計された経験のある方はお分かりだと思いますが
設置するのは青森県。したがって予算の関係もあり
こちらの希望どおりにいかないのは当たり前です。
この温室も当初より少し小さくなってしまいました。
それでも最後まで譲らなかったのがこの場所。
クーラーが入っているわずか3畳ぐらいの個室です。
水耕栽培を学ぶ際、どうしても育苗しなければなりません。
それは大規模に栽培する時も、数株で実験する時も同じです。
ところが発芽には適温があり、このところの猛暑では芽も出てきません
また育った苗も猛暑では育ちません。
北国の青森県。寒いため暖房は備え付けてくれますが
夏場を適温にするための冷房装置は贅沢と捉えられるのか
なかなか許可がおりません。もちろんこの時もそうでした。
しかしこの温度制御できる育苗室がなければ
環境システム科の学習自体できなくなるので猛烈に設置をアピール。
そのおかげで必要性を理解くださり、
クーラーの入った小さな部屋ができたのです。
またLEDの波長を制御できる水耕栽培装置も2台入っており
24時間365日、とても便利に名農生によって使われています。
先日、ハンターズが育苗のために播種した育苗マットを持参すると
他の研究班や授業で使うマットでいっぱい。
おそらく名農で一番活用されている実験室ではないでしょうか。
さてそれはともかく、名久井農業高校のある南部町には
全国でも珍しい「鍋条例」があります。
毎月22日はフーフーいいながら家族で鍋を囲み、
コミュニケーションを深めましょうという意図ですが
その一環として「あおもり鍋自慢」というイベントが
23日と24日、南部町で開催されます。
みなさんお馴染みのせんべい汁の他、青森県には美味しい鍋がいっぱいあります。
たくさんの鍋が並ぶようなのでぜひ参加して見てください。
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