前回につづき、ちょっとまじめな写真話です。
デジタルカメラになったことで、撮り手側の作業が大幅に変わってきたのは周知の通りです。
ご案内する方々からも、カラーマネージメントの質問を受ける機会が大幅に増えてきました。
デジカメになって皆さん、かなり迷い悩んでいるようですね。
当然、私もそうですが、
「それってあまり考えすぎる必要無いと思いますよ。」
カラーマネージメントはきちんと行った方が良いにこしたことはありません。
ただ、それを行うにはそれなりの機材購入など、投資も必要になってきます。
PCと付随するソフト関係はもちろんですが、ディスプレー、プリンターなど周辺機器も揃えなければなりません。
弊社では部屋全体を規程の明るさにするために、D50と呼ばれている「色評価用蛍光灯」まで使用しています。
なんだかんだといろんな事をやってますが、前回のブログでも書きましたが、一番大切なことは良い写真が撮れるかどうかに尽きます。
では、良い写真とは何かといいますと、私の場合は「心で撮り、心を伝える」というものです。
つまり、これは生涯の課題でもありますが、伝える事が出来るかどうかです。
カラーマネージメントをしっかりやったことで、撮影した作品のレベルが上がるということでは決してありません。
タイトル写真は音楽を奏でる楽器です。
たとえば、このバイオリンがストラディバリウスで、このチェロがモンタニァーナで、そしてこのピアノがスタンウェイだったとします。
非の打ち所のない名品で、このすばらしい楽器を使用したとしても、人を感動させる演奏ができるかどうかはその演奏者しだいだからです。
心のこもった演奏は感動を与えます。
子供達が汚れのない歌声で一生懸命歌っている音楽会などでは、胸が熱くなり自然に涙があふれてきます。
お世辞にもうまいとは言えない歌ですが、それに感動すると言うのは、耳で聞いているのではなく、目で見ているのでもなく、心で聴いてそして心で見ているからです。
写真も同じと思っています。
人に訴えかける写真は忠実な色再現では無く、その時に感じたものが写し込まれているかどうかです。
その感じたものとは、撮影者それぞれの感性と言うことになるでしょう。(だから怖いという面も出て来ますが・・)
ですから写真を撮る皆さん、あまり色にこだわるのはやめましょう。
もっとやるべき事は沢山あり、そして以前のようにもっと楽しみましょう。
つづく